いま、ぼくの目の前にクレジットカードという代物がある。
「クレジットカード」。とてもオトナっぽい響きで、オトナになった感じがして、すごくうれしい。カードの両面には、なぞの金属端子や、数字や、カッコいいマークが所せましと並んでいて、ただ眺めているだけで心がはずむ。
普通自動車免許を手に入れたときや、お酒が飲めるようになったときもオトナになれた気がした。けれど、おカネにかかわるクレジットカードを手に入れた今、前者よりもずっと大きなオトナの階段を昇ったような気がしている。
そしてこのクレジットカード、ただカッコいいだけじゃない。とにかく便利すぎる。
もう、レジで細かい小銭に苦しまなくて済む。ATMでお金をおろす機会も激減した。ネット通販の支払いも自分で決済できるから、親のカードで決済した後、現金で払い戻しする必要もないのだ。
そのうえ、決済内容は専用アプリの利用明細に(決済から数日タイムラグがあるけど)反映され、いつ何にお金をつかったのか、ひと月でどれだけお金を使ったのか、一目瞭然だ。溜まりにたまったレシートの内容をエクセルに入力することをサボり、結局どんだけお金を使ったか分からないなんて自堕落な暮らしは、もうオサラバなのである。
ぼくは今まで、現金至上主義を貫いてきた。ファッキン〇〇pay、ファッキンキャッシュレス。チャージするのめんどいし。QRコード読み取って、代金を入力して店員さんに見せるプロセスもめんどいし。〇〇Payが乱立してて訳わかんないし。その割に、使えないところが案外多いし。そもそも現金の信頼性が高い日本では、キャッシュレスなんてお呼びじゃねーんだと。そう思っていた。
しかし、クレジットカードは違った。サッとカードを取り出し、暗証番号を入力するだけでサクッと決済が完了する。IDが使えるなら、カードを端末にかざすだけでオーケーだ。絶大な普及率を誇るmastercardブランドで、ID内蔵のぼくのカードに死角はない。使えないところといえば、田舎の自販機か山小屋くらいである(大嘘)。
しかもしかも、それだけではない。割引が利いたり、ポイントが貯まったりしてお得なのだ。おしゃれな憧れの家電をポイントで手に入れたい。でも派手な使い方はできないので、そこまでポイントが貯まらないと思います。
今日も僕は、コンビニのレジで「クレジットカードでお願いしますっ!」と言い、ボロボロの財布からピカピカのクレジットカードを取り出すのであった。
一億総クレカ
クレカクレカタコラ