ジャンプ+で連載してたサマータイムレンダが完結した。話の完成度がとても高く、面白かったんだけど、どうも自分の中で盛り上がりに欠けていて、その理由がわからない。
アプリリニューアルに伴い、全連載の初回無料がリセットされた。そのため改めて1話から読み返した。夏の離島を舞台にしたループ物で、主人公は死んだはずの幼馴染み(の影)と、3日後に訪れる島民皆殺しの未来を回避するため異形の物に立ち向かう。
巨乳で変わり者で人間離れした強さを持つ小説家とか、主人公を慕う妹キャラとか、ヘタレで優しい友人とか、ゲーム脳のラスボスとか、キャラクターも悪くない。
ループは主人公の死をトリガーとして、ループごとに戻れる時間は短くなっていく。そのため無限回死んで試行錯誤できず、取り返しのつかない死もある。
絶望的展開を様々なアイディアで打開していき、物語の謎は段階を経て解かれ、大団円を迎える。
めっちゃ面白かった。面白かったんだけど、なんか煮え切らない。
ループ物の醍醐味であるカタルシスが今ひとつ感じられない、気がする。劇中のある人物が死ぬときとか、なんやかんやあって別れてたキャラと再開できたシーンとか、最終決戦時とか、なんかいまいち盛り上がらん。
いや、ちゃんと描くべきシーンを余すことなく描いてるし全部腑に落ちるんだけど、あって然るべき鳥肌が立つような感動がない。
それがなぜなのかわからない。
こちらの感性が死滅してるわけではないと思う。圕の大魔術師とか新刊の度に吐きそうなほど泣いてるし。宝石の国だって新刊の度にしんどくて吐きそうだし。