カントリーマァムやセブンイレブンの弁当等の底上げの話、これはシュリンクフレーションとか呼ばれて実質的に値上げでそれが隠されているという事で批判されているけど、実は企業としては最適行動になっている可能性が高くて企業だけ批判してもまあ解決しない問題なのよね。
コンビニってのは客の行動にかなり敏感になっていてちゃんとマーケティングした上でこの戦略を選択している筈で、つまりは中身同じで価格だけ上げる普通の値上げをすると売り上げが減るからという事からこの戦略だと考えるのが妥当でしょうね。ではなぜ普通の値上げだと売り上げが減るのか。
端的に言うと結局の所は庶民に金が無いってことでしょう。出せる金は一定で買ってる物の価格が上がると素直に「出せない」となって同じような商品のより安い物に流れる訳です。だから今までと同じように「買わせる」為には同じ金額で同じ物を買っている「気分」にさせないといけないわけです。
ところで給料の話でこんな話がありまして、人は給料が少し上がると今まで買ってた物よりもちょっと良い物を買うようになるんですよね。今までニュース等を見てきた人なら何度か見たことあるような話なんじゃないでしょうか。逆に言うと、給料が変わらなければ同じ物を買い続けるということです。まあそんなに違和感がある話ではないですよね。
んでこの話を元に考えるとですね、給料が上がるのと同じように物の価格が上がってるのなら、同じ物を同じように買い続ける訳ですよ。そりゃあ完全に同時には起こらないから短期ではちょいちょい変動しつつ長期では同じような感じになると。でも今の日本はそうじゃない。実質的な給料ってのは下がっているってのは前から言われているし、統計でもそういうのは出ている。でも企業は商品を買って貰わなければならない、庶民が得る金が減っているけどランクを下げた物に移られては困るから、見た目だけ同じランクで中身は貧相になっている物を出してなんとか維持する訳ですね。
これって実は庶民の生活が貧相になっているのに庶民は気付きにくいんですよね。そりゃ15年前と同じ物を同じ値段で買っているのに生活が貧相になってるなんてのはまあ気付きにくいよねえ。
本当だったら企業はこんなことをしたくない訳です。製品を作るラインの変更があるし、新たにパッケージのデザイン等をしないといけないし。どうせコストをかけるなら「おいしく」とか「量が多い」とか「販売価格を安く」とかにかけたいがそうじゃない。つまり、本来なら庶民の生活が社会が良くなる事にかけるべきコストが、我々を騙す方向にコストがかけられてしまっている状況。これは良くない。良くないが企業の短期的な利益最大化行動としては正しいので行われているわけであります。
これは結局の所、物価が上がっているのに給料が上がってないから、所謂スタグフレーションだからであります。デフレもクソだがスタグフレーションもクソクソでありまして、それはその状況を打破できてない政治がクソでありまして、その政治が国民が支持している(結果としてね)からでありまして以下略。