解体業をやっていていちばんきついのは夏の現場で、建物を解体してるわけだから、その建物は使ってなくて、あたりまえだが電気が通ってないわけだ。で、クソ暑い中冷房とか一切なしでひたすら朝から夕方まで家とかビルとかをぶっ壊す。
(気温が35度を超えてても、半袖半ズボンで作業するわけにはいかないわけだ、釘とかが出てたら腕を傷つけて次の現場に支障があるから。で、クソ暑い中でも長袖長ズボンでずっと作業してる。夕方、なんかやたらと汚れた服で季節外れの長袖長ズボンの奴が電車に乗ってきたら、やばいと思うだろ。こっちもちょっとはすまないとは思ってるんだわ。でも他にどうしようがあるよ。家に帰ってきて服を脱ぎ捨てといて、次の日になったらさ、夏はカーゴパンツの腰のあたりに大抵白い粉が吹いてる。一日でカビるのかよと思ったら、よく見たら、汗が乾いた後の塩なんだよな)
昨日の現場は住宅街の平屋で、外はカンカン照りだったが、家の前にトラックを止めて、屋根の上に登って、上から屋根の材料を一枚ずつ剥がして、トラックの荷台に放り込んでいったんだわ。瓦じゃなくて、石のスレートでもなくて、それを真似した、屋根の材に直接貼り付けてあるやつ。手づかみでベリベリっと剥がして、捨てるまでにけっこう力を使うから、一枚剥がすだけで、直射日光が当たるような晴れの日はもう汗だく。
もう一人ウェイっていう中国人が屋根に上がって作業してて、朝のうちは喋りながら作業してたんだが、日が高くなってくると、お互いにもうフラフラになっちゃって、あとはもう無言。このウェイっていう奴は、じーりん省?の出身らしい。基本的に人なつっこくていいやつなんだけど、切れやすくて、切れると誰にでもやたらとでかい声で怒鳴りつけるから困る時もある(前の現場で、解体が終わった後の土地に、ウェイがホースで水を撒いてたんだわ。したら、目の前の道路をデイケアサービスセンターのボックスワゴンみたいなデカめの車が通りかかって、水のホースをたまたま踏んだのね。タイヤの下敷きになったホースがパーンて飛んで、そこらじゅうが水浸しになって、ウェイが車に向かって行って、ものっすごい剣幕でドライバーを怒鳴りつけてたのは、さすがにちょっと引いた)
昼になったら口の中がカラカラで、トラックの席に置いといた爽健美茶のペットボトルを口に入れたら、もうお湯みたいになって飲めないので。で、さすがに今日はやばいから、エアコンの効いたところに行って、冷たい水でも飲みながら飯を食おうぜってなった。たまたま近所に中華があったからウェイと入って、メニュー見てたら、こまっさん、じゃんぎ丼あるよ、とウェイがいうからなんだそれって聞いたら、美味しいよとしか言わない。奴は自分で頼むからこっちも同じものを頼んで、カウンター越しに店主が料理するのを、冷たい水をごくごく飲みながらなとなく眺めてたのね。なんのことはない、鳥のから揚げ丼か。て思って見てたら、揚げた唐揚げを中華鍋に入れて、今度は野菜と炒めるの。で、なぜかコーラをペットボトルからどぼどぼ途中で鍋に注いで、大丈夫かよこれって思ったんだけど、そのまま仕上げてこっちにはい、じゃんぎ丼、て出してくるわけ。まじで大丈夫かこれって、思って一口食べたら、味が濃くてけっこういけるの。
炸鶏飯 http://kagoshima-ohsho.jp/menu/275 おいしそう