最初会った時、失礼だけどモテなさそうな印象だった。(あれ…写真の顔は?)
正直見てられないぐらい…(失礼)
次で最後にしようと思いながら数回会い、
けれど直前でやっぱ男性と二人きりでいきなり遠出は・・・と断ってしまった。
「無理なときは無理って言いましょう!」
と返信された。そして配慮が足りなくてごめんなさいと。
それが転機だった。
今まで色々と我慢を重ねて人付き合いをしていたので、この言葉に救われたような気がした。
すごく緊張したけど楽しくて楽しくて、この人となら結婚してもいいかもしれないとまで考えてしまった。
心がとても綺麗で、まるで山のような人。ニコニコとこちらを見てくれる。満たされた。
街では弱弱しくて頼りなくって人見知りっぽいのに
山では明るくて全然違う人だった。
その日の終わり、自分は心や脳機能にハンデがあり手帳を持っていると告白された。
なんで、こんな素敵な人が…こんな大変な目に遭っているんだろう、動揺した。
一か月後付き合うことになった。
毎週末山に行く彼に、全然会えなかった。週に1回平日夜に会えるかどうか。
関係を進めたくて、無理を言って部屋に遊びに行った。
その部屋は混とんとしていた。震災後の部屋のように物がぐちゃぐちゃに落ちてる。
靴が片っぽ部屋の真ん中に落ちてて、これが障害というものなんだと分かる部屋。
薬はこのためにあると思わせる部屋。一緒に掃除した。彼はとっても喜んでくれた。私もうれしかった。
何度か遊びに行った。そのたびに大掃除。これから先毎回こうなのかと少しまいってしまった。ごめん。
生活と趣味と彼女、彼にはキャパオーバーだった。連絡が減っていった。
久しぶりに遊びに行くと、部屋も彼もボロボロだった。部屋は心を映す。
彼は泣き出してしまった。大事にできないから…と別れを告げられた。
引き留めると、自分は本当はお風呂にもほとんど入らないと言われた。
拒絶は悲しかった。
希死念慮のために山に入っていることを後で知った。早く山で死にたいそうだ。
連絡も返ってこない、私は嫌われてしまった。