顔の複数のパーツを30間近になって整形した。
世界が変わった。
まず、すっぴんの時点でもうかわいいので毎朝鏡を見ては「え?これが私?」ハッピーになる。
顔に自信があるのでメイクしなくても世界中の誰にでも会いに行ける気がしてくる。
前は自分の顔を見られるのが嫌で人に何かを言うのも嫌だった。
相手の目を見るということは向こうもこちらを見るということだから、目を見て話さないと失礼、と思いつつも人の目が見れない。
誰に対しても怖気付かずフラットに話せる。
男女問わず初対面の印象がいいみたいだし、「美人な人」として丁重な扱いを受ける。
思春期以降、友達に次々に彼氏ができたり男の子から告白されるイベントが起こっても私だけはそういう出来事と無縁だった。
友達の中でも恋愛と縁のないお笑い要員のような、若干馬鹿にされるポジションで落ち着いていた。
きっと私が男の子から選ばれないのは、自分の人格や言動に根本的な欠陥があるんだろうとうっすら思っていた。
けど、大人しい無口な女の子も、お笑いに走る馬鹿キャラも、性格の悪いいじめっ子も、とにかくも彼氏ができる。顔が可愛ければ。
整形して世界が変わった。
何をしても楽しいし、自分に自信が持てる。毅然としていられる。人に優しくしてもらえる。
「は?」と思った。
ただ「顔」という部分の作りがたまたまよく生まれた人は、これを生まれつき当たり前のように享受してきたんだと。
どれだけ世界が優しく、楽しく、美しく見えてきたんだろうと。
自分がモテないのも、人から馬鹿にされたり蔑まれやすいのも、全部自分に根本的な原因があると思ってたし、この世界が地獄なのは普通のことだと思ってきた。
美人は美人でストーカーや痴漢やセクハラなどの被害に遭いやすいデメリットがある、というが
それはブスでもあるよ。なんならブスの方が見下されスタートの恐ろしい暴力や粘着に遭うこともある。
せめて恋愛して結婚できるレベルになりたい、普通の女性になりたい、というだけのことだった。
それが、ここまで世界の見え方が変わると思ってなかった。
整形してよかった。
勝ち組の世界にようこそ