2019-04-06

中古嫌いがリサイクルショップで働いた話

私は中古が大嫌いなのにリサイクルショップで働いてる。

でも最近は思うところがあって、長くて恥ずかしいからここに吐き出す。


誰かが使い古した物を、家にいれるなんて信じられない。

私は物には思い出や気持ちがつまるもんだと、本気で信じている気持ち悪い人間なので、誰かの思い出がつまった中古気持ち悪い。

中古の品をみると、元の持ち主の顔を想像してしまう。どんな人生を送っていたのか考えてしまう。

そんな私がリサイクルショップで働いてしまった。家から近くて通うのが楽だから、とかいうダラけた理由で。



買うのも気持ち悪いが、売るのも気持ち悪いと思っていた。

自分の思い出や人生がつまったものを、いらないからと売りに来るのだ。そして誰かが私の過去がつまったものをまた使用する。それが私にはゾッとするのだった。

売りに来るもので一番理解できないのがぬいぐるみ

ぬいぐるみなんて、一番思い出のつまるものだろう。

売られたぬいぐるみたちの寂しそうな顔が悲しくて、せめて誰かの目に留まりやすいようにと、私はぬいぐるみコーナーの整理整頓は丁寧にやっていた。



そんなある日、男の子ゴリラぬいぐるみを持ってレジに来た。

お喋りな子で、レジをしていた私に「家に色ちがいの同じゴリラがいて、その子友達にする」と話してくれた。

そのレジに来たゴリラには、もう名前がつけられていた。

なんの変哲もないただのゴリラぬいぐるみ

このゴリラは元の持ち主にいらないと言われて売られたのに、この日、色ちがいの友達ゴリラ名前をつけてくれる素敵な男の子出会えた。なんて素晴らしいだろう。映画みたいだ。

ぬいぐるみ名前をつけるような優しく面白い男の子に育ててくれた親にも、なぜか感謝してしまった。

あのゴリラは今も幸せにしているだろうと思う。



かにも、私が持っているアザラシぬいぐるみと同じものが売られて店頭に出ていた時期があった。

私のアザラシは私の家で幸せ暮らしているのに、どうしてこの子はこんな目に……と思って悲しくて心のなかで泣いていた。

でもそのアザラシにも、新しい人生がやって来た。この間、小さな女の子に買われていったのだ。

レジをしながらアザラシに向かって「おまえ!!! 幸せになるんだぞ……!!!!!!!」と心のなかで祝福をした。



ぬいぐるみだけじゃない。カバンのコーナーを整理していて、誰からも忘れられたように奥に追いやられていた小さなビーズポシェットが出てきた。

かわいそうに、と思って一番目立つところに置いておいた。

ポシェットはその日に売れた。

驚いた。しかも目立つところに置いてから30分くらいで売れたと思う。早すぎた。

ポシェットがこの世から忘れられていた時間からすれば、秒での出世だと思う。

私がその日、カバンのコーナーを整理しなければ、お客さんとも出会うこともなく、ビーズポシェットは廃棄の運命だったかもしれない。なんだか恋のキューピットになった気分だった。



捨てられた物たちが第二の人生を歩める姿を見届けられるというのは、単純に嬉しいと思う。

きっとリサイクルショップというのは究極の一期一会

次に来たときに買おうと思っていても、残ってるとは限らない。

お客様に、昨日はあったのになぜ今日はないんだ! と言われたことがある。単純に売れた。誰かが買ったんだ。

それくらい早く、一瞬のタイミングがズレるともう二度と出会えない、そんな場所なんだ。

私は最近、物と人が出会えた一瞬のタイミング素敵だな、と思うようにもなってきた。

嫌いだったリサイクルショップでこんなこと思うなんて自分でもビックリしてる。


そんな中古嫌いの私もついに、自分リサイクルショップで長い間忘れられていたリスのぬいぐるみを買ってしまった。

かに買ってもらいたくて、結構目立つところに置き続けていたけど、このリスは運命の人に出会えなかったらしい。

洗濯機でゴーゴーと洗ってストーブの前に1日干して、キレイになったリスは我が家の仲間になった。

元気に暮らしてる。正直かわいい

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