タイムラインにこのツイートが出てきて、子供の頃のことを思い出した。
https://twitter.com/scissors_nagasa/status/1091335900817063936
中学1年か2年のときの英語の授業で、「自分の名前の由来を親に聞いてきて、次の授業のときにで英語で説明しなさい」という宿題が出た。
私は親に虐待というほどのなにかを受けていたわけではないけれど、うまい関係は築けていなかった。
暗澹たる気持ちで一応母親に由来を聞いてみたところ、返って来た答えは「あるわけねぇだろ馬鹿野郎!!!!!」だった。
その直前まで何も怒っておらず落ち着いていたように見えたのに、突然激昂した。まあでもこれはいつものことだった。
私はこの激昂のスイッチがわからず、かといって息を潜めて生きるのもうまくできなくて、ずっと苦しかった覚えしかない。
翌日の英語の授業は宿題の答え合わせがないまま残り15分になった。
私は授業開始時点では当てられたらどうしようとかなり焦っていたが、このときにはもう完全に安心していた。
ところが突然先生が「では昨日の宿題の答え合わせをしましょう」と言い出して、あろうことか私をピンポイントで当ててきた。
「さあ、説明してください。あなたの名前の由来はなんですか?」
起立したけど何も言えなくて、でも何か言わなきゃいけなくて、喉の奥がひくつくのを感じながら一言「nothing」と言った。
先生は目をまんまるに見開いて(普段からやたら動作も表情も大げさな先生だった)、「ないってどういうこと?なにかあるでしょ?」と詰め寄ってきた。
教壇から降りてこちらまで歩いてくる先生。静まり返っている教室。コツコツという靴の音だけが響いていた。
なにか言わなきゃ、でも何も言えることなんていない。
「さあ、教えて。あなたの名前の由来は?」やたら顔を近づけて聞いてくる。近いのはやめてほしかった。
「I cannot hear anything」こんな感じのことを絞り出した気がする。
「じゃあいいわ。あなたの名前の漢字を説明して」先生は一応逃げ道をくれた。
しかし自分の名前は全部ひらがなだったので私はそれを使って逃げることはできなかった。
長い間うちのクラスを教えておきながらこの人は私の名前も知らないんだな、とぼんやり思った。
「早く答えて。みんなの迷惑になるでしょ?」先生がまた顔を近づけてくる。
「I don't have kanji characters in my name」とか言った気がする。クラスのみんなはまだ静まり返っている。
もともと授業中は静かなクラスだったけど、空気が緊張しきっていた。
「えええ??仕方ないわねえ。じゃあ由来を言って。早く。みんなの迷惑でしょ」迫る先生。
なにかいいたい。何も言えない。時計の針はまだあと10分以上残り時間があることを示している。
はやく、はやく、チャイム鳴って、はやく。
このあと私は学校でトイレに閉じこもって大泣きした。2時間ぐらい出てこれなかった気がする。
元のツイートに戻って、こんな思いをするような子供がいることがわからないならまだ仕方がない。教育者には知っていてほしいけど。
今日も女は毒親叩き