2016-11-15

宮崎駿はなぜ怒ったのか

http://anond.hatelabo.jp/20161114173923

↑を書いた増田です。

先のエントリ解釈自分主観というか妄想が入りすぎていた。冷静さを欠いていたと思う。(その割には肯定的ブコメが多かったのでびっくりしているんだけど)

個人的に書き漏らしもあったしついでに宮崎駿が怒った理由についても考える。

前回のエントリではごちゃごちゃになっていたけれど、宮崎駿が怒った理由は二つに分けられると思う。①②と分けて書く。

宮崎駿作品哲学に合わなかった。

そもそも、見逃していた言葉があった。

まず、川上の「頭を使って移動しているんですけど、基本は痛覚とかないし」という言葉

これに対して宮崎駿は友人の身体障害者の話を持ち出してこう答えている。

ハイタッチするだけでも大変なんです。彼の筋肉がこわばっている手と、僕の手でハイタッチするの。」

「これを作る人たちは痛みとかそういうものについて、何も考えないでやっているでしょう」

ここでは、「痛覚のないCG」と「痛みを持つ障害者」を対比させている。(そういう意味ではわかりやす説明するために身体障害者の話をしたともとれるかもしれない)

痛みもある、けれど生きている。痛みがあるからこそ生きている。宮崎駿はそういった生命に対するリスペクトの上で、作品に息を吹き込んで生み出そうとしている。

彼にとってはそういった自負があるからこそ、「痛覚の無いCG」を「自分作品とつなげたくない」と拒否した。

そして、痛覚のないCGを「生命に対する侮辱」と捉え「不愉快」だと言った。

単純な話、このCGは彼の作品哲学に合わなかった。技術屋とクリエイターの衝突というコメントをどこかで見たが、この点に限ってはそういうことかなと。

彼の哲学肯定的にとらえるか否定的にとらえるかは、人によるだろうが。

障害者に対する差別的見方につながりかねないということ。

「その彼のことを思い出して、僕はこれを面白いと思って見ることできないですよ。」という宮崎駿言葉で大体わかると思うけど。

これは川上の「この動きが気持ち悪いんで」「人間想像できない気持ち悪い動き」という言葉対応するものと見ることができる。

川上自身差別的意図はなかっただろうが、わざわざプレゼンしているのだから面白いものだと思っていたのだろう。「気持ち悪い」と言いながら。

しかしながらCGでなく現実にも川上が「気持ち悪い」というような動きをする人はいる。この世の中は五体満足の人間だけじゃない。

この点が不快だったのもあって、「生命に対する侮辱」「不愉快」という強い言葉を使ったのではないだろうか?

まぁ、①だけでもプンプンしてたかもしれないが、そこまでは推測できない。そもそも①②と無理やり分解しただけで、宮崎駿自身がごちゃごちゃにしてそうな気もするし。

それ以前にNHKによってカットされた場面もあるだろうし。NHKの手のひらの上で転がされているだけなのかもしれない。

怒ってた理由を推測するとしたらこれらの理由くらいかな?というくらいの感じで。あとは単純に川上の態度が気にくわなかったとか作業が捗らなくてイライラしてたとかあるかもしれんけど。うん。

記事への反応 -
  • まず、宮崎駿はCGそのものを気持ち悪いとは言っていない。 ここを勘違いしている人が多い気がする。 川上が「この動きが気持ち悪いんで」「人間が想像できない気持ち悪い動き」とプ...

    • 宮崎駿「身体障害者の友人がいるが不愉快だ」 ドワンゴ川上「そうか、このCGはゾンビゲームよりも障碍者モデルに使えるな。次は東京パラリンピックのイベントで使えないかプレゼン...

    • 脳性麻痺の人と2年ほど接したりした経験があり、宮﨑駿のような事を言う人をどう思うかを語っていたが。 どうでもいい、そういう事を言う人の方が差別をしている、偽善者って言って...

    • 「進撃の巨人」に出てくる異形の巨大な『怪物』に対して、身体障害者を想起させるようにしていて差別感を増長しているみたいに批判している人もいたので、そう思う人にはそういう...

    • 「宮﨑駿のような事を言う人」っていうけど、その人は今回宮崎駿が発言した内容を 事前に知ってたわけじゃないよね。あなたなりに、今回 宮崎駿が言っていることと、 その人が「ど...

  • ①痛覚について 宮崎駿自身も「痛覚の無い生物」を作中に登場させることはある。 コミック版ナウシカのヒドラなどが典型だろうか。 ラピュタのロボットや、ルパンのシグマやラムダ...

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