http://anond.hatelabo.jp/20161114173923
↑を書いた増田です。
先のエントリの解釈は自分の主観というか妄想が入りすぎていた。冷静さを欠いていたと思う。(その割には肯定的なブコメが多かったのでびっくりしているんだけど)
個人的に書き漏らしもあったしついでに宮崎駿が怒った理由についても考える。
前回のエントリではごちゃごちゃになっていたけれど、宮崎駿が怒った理由は二つに分けられると思う。①②と分けて書く。
そもそも、見逃していた言葉があった。
まず、川上の「頭を使って移動しているんですけど、基本は痛覚とかないし」という言葉。
これに対して宮崎駿は友人の身体障害者の話を持ち出してこう答えている。
「ハイタッチするだけでも大変なんです。彼の筋肉がこわばっている手と、僕の手でハイタッチするの。」
「これを作る人たちは痛みとかそういうものについて、何も考えないでやっているでしょう」
ここでは、「痛覚のないCG」と「痛みを持つ障害者」を対比させている。(そういう意味ではわかりやすく説明するために身体障害者の話をしたともとれるかもしれない)
痛みもある、けれど生きている。痛みがあるからこそ生きている。宮崎駿はそういった生命に対するリスペクトの上で、作品に息を吹き込んで生み出そうとしている。
彼にとってはそういった自負があるからこそ、「痛覚の無いCG」を「自分の作品とつなげたくない」と拒否した。
そして、痛覚のないCGを「生命に対する侮辱」と捉え「不愉快」だと言った。
単純な話、このCGは彼の作品の哲学に合わなかった。技術屋とクリエイターの衝突というコメントをどこかで見たが、この点に限ってはそういうことかなと。
彼の哲学を肯定的にとらえるか否定的にとらえるかは、人によるだろうが。
「その彼のことを思い出して、僕はこれを面白いと思って見ることできないですよ。」という宮崎駿の言葉で大体わかると思うけど。
これは川上の「この動きが気持ち悪いんで」「人間が想像できない気持ち悪い動き」という言葉に対応するものと見ることができる。
川上自身は差別的な意図はなかっただろうが、わざわざプレゼンしているのだから面白いものだと思っていたのだろう。「気持ち悪い」と言いながら。
しかしながらCGでなく現実にも川上が「気持ち悪い」というような動きをする人はいる。この世の中は五体満足の人間だけじゃない。
この点が不快だったのもあって、「生命に対する侮辱」「不愉快」という強い言葉を使ったのではないだろうか?
まぁ、①だけでもプンプンしてたかもしれないが、そこまでは推測できない。そもそも①②と無理やり分解しただけで、宮崎駿自身がごちゃごちゃにしてそうな気もするし。
それ以前にNHKによってカットされた場面もあるだろうし。NHKの手のひらの上で転がされているだけなのかもしれない。
怒ってた理由を推測するとしたらこれらの理由くらいかな?というくらいの感じで。あとは単純に川上の態度が気にくわなかったとか作業が捗らなくてイライラしてたとかあるかもしれんけど。うん。
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