2016-09-22

本当にどうするのだろ

http://anond.hatelabo.jp/20160921144435

 建設業は未だに社会保険に加入してないのだ、という話。

 具体的に挙げると、職人1人当り仮に20,000円という金額だとする。これは元請(ゼネコン)と専門工事業者(一次下請)の契約単価。

 建設業というのはそもそも重層下請が多い。二次下請、三次下請、四次下請・・・というように多くの事業者がいる。何故ならば、

いわゆる「親方」というのは事業主である。その親方から独立して自分親方になるとその時点で「親方」の下にいる「親方2」となる。

この時点で

専門工事業者-親方-親方2

三次業者となる。もちろん例外もあるが、このような形態独立していく職種が非常に多い。

 これをお金の流れに変換すると

20,000円→18,000円→16,000円

という風に親方2の時点で1人16,000円まで下がってしまう。

 「ピンハネだ」「一次下請、二次下請が不当に搾取している」

 こういう意見もあるだろうが、下請各社が法人税を納め、会社経費を考えると当然の事である。1円も引かずに二次以降の下請に支払えば

一次業者崩壊する。

 では一次下請、二次下請を排除すれば良い、という意見も出るかと思うがこれは違う。

 仮に二次下請である親方2」が独立したばかりで職人は5人しかいない、とする。こうなると今話題豊洲新市場のように大きい現場を「親方2」

が元請から直接受注して施工する事はほぼできない。50人必要なのに5人しかいない。「親方2」が直接受注するには自社の社員をあと45人追加雇用する

か、応援と称して「親方2」の下請けとして複数業者契約しなければならない。

 45人の追加雇用しか派遣バイト禁止されている建設業としては全員正社員。2年程経って大規模工事現場が終わった時に45人分の雇用保証

してくれる現場があるかどうか。あれば良いがなければ全員解雇しなければならない。

 

 長くなったがこういう事情でそもそも重層下請けが多い。

 では16,000円もらえる「親方2」の年商について考えてみよう。

年商

16,000円×25日×5人=2,000,000円×12か月=24,000,000円

だ。社員に14,000円払えば3,000,000円残る。

 会社はこの3,000,000円から社会保険費を拠出し、社員

14,000円×25日=350,000円×4,2000,000円

から社会保険費用拠出する。

 つまり建設業給料社会保険費用を払わない金額の事をずっとずっと言ってきた。何が高年収なのか。「もらった金=手取り」だ。

 長年この状態でやってきた業種が社会保険費用を支払うとなれば、8時~17時の10時間拘束の割りには報酬が低い、という今までずっとそうだった事実

が露呈し、人はいなくなる。しか職人1人当りの単価というのはそもそも国土交通省が指針を出しているので「20,000円が30,000円になれば」というのは

考え辛いし、施主がほいほいと社会保険費用による工事代金の増額を認めるだろうか。八百屋が「大根100円だけど消費税社会保険費用があるから150円

と言って売るものを買う客はいるのだろうか。

記事への反応 -
  • 来年からの社会保険加入してない人達は、現場に入れないってあれ。 人が一気にごそっと減るよ・・足りないし若い人入って来ないって言ってるのに。 社会保険入れない鳶職の人達がご...

    • http://anond.hatelabo.jp/20160921144435  建設業は未だに社会保険に加入してないのだ、という話。  具体的に挙げると、職人1人当り仮に20,000円という金額だとする。これは元請(ゼネコン)...

    • 探さないと、ちゃんとやってるところが見つからないってなんか凄い業界なんだな。 適切な保険に加入した下請企業・労働者のみからなる工事の試行的実施(モデル現場)の情報をお...

    • いいことじゃん使い捨てが減るんだから。食い詰めて仕方なく肉体労働する人が減っていい物を作ろうと志をもって仕事する人だけが残る 元請もそうゆう人を探さなきゃいけない。探し...

    • 大手に値引しろって言われて、最初に消えるの法定福利費だし。 クズすぎんだろ。 何を居直ってんだよ。 つか「法定」の意味わかってるのか? 腕のいい職人が消えるか奪い合いに...

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん