俺は、どーも『イケメンになるために』ファッション雑誌を見てしまっていた。
いやいや、イケメンになるにも才能がいる。
雰囲気イケメンならなれるというが、雰囲気イケメンってイケメンのコスプレだろ?
コスプレとしての完成度が高いブスのコスプレイヤーがいくらでも居るのに何いってるんだって話だよ。
で、「ファッション雑誌いくら視てもイケメンになれないじゃないか!」と思って俺は何度も挫折してきた。
美容院に行って、ジャストサイズでシンプルな服そろえて。それでも一向に不細工。
でも、生理のように、一定周期で、「今度こそイケメンになって、馬鹿にしてきたリア充どもをぎゃふんといわせたい!美少女をイケメンみたいに言いなりにさせて中出しして中絶させてやりたい!失われた青春を取り戻すように俺を馬鹿にしてたような女を風俗に落としてその金でソープいってやりたい!」みたいなどす黒い欲求が出てきて。
それで、また狂ったようにファッション雑誌やビジュアル系雑誌を読んでは服を買ったりメイクを覚えたり。うまく行かないと女叩きのアンチフェミ記事を書いて。
そういうことをやっていた。
だが、つい今日気づいた。
俺はキントレ雑誌を読むけど、果たしてそこに乗っている筋肉マンになりたいだろうか?
俺はキントレ雑誌の理論を学んで、キントレしてるけど、筋肉マン目指してるか?
違う。
俺は、格闘技やってたからそのための筋肉。ケンカになってもビビラないっていう自己承認のための筋力。あるいは、普通の一般人より卓越してるんだっていう優越感。もしくは純粋にキントレによるストレス解消。
そういうもののためにやってる。
じゃあ、ファッション雑誌はどうだ。俺はイケメンになりたいか?
違うだろう。ブサメンが、理論を学んで服屋で実践するのがいいんだろう。
せめて、普通の人に。髪がボサボサで一本だけ長いのがタラーってゴミのように伸びてたりだと浮浪者みたいだと避けられるから、髪を切りそろえるために。
ぐしゃぐしゃのパジャマやジャージみたいな服装だと異常だと思われるから、シンプルで見た目にも奇抜じゃなくて他人とのコミュニケーションを阻害しないような服を。
まずはその程度からだろう。
というか、元が不細工だとその程度にしかならない。特に、俺はハゲとチビも抱えているから、どう頑張ってもイケメンにはならない。元々10点くらいだから、頑張って50点。
でも、そりゃそれでいいんだよ。知的障害なら、高校卒業できるだけでもいいじゃん。世の中での高卒の扱いどうこう関係無いよ。そういうもん。
そうなんだよな。