2015-10-05

鬱とバインミー

過去えげつない傷を残すと、

自己評価がひどく下がり、

自己否定自己嫌悪スパイラルに陥る。

自分自身がそうだった。

中学生のころ苛められた過去があり

まり精神的に強くないのに、、

ブラック企業に入ってしまったため

うつ病発症。一日のうちで布団で

過ごす時間が最も長くなってしまった。

毎日毎日自分クズから

死ななければならないという

強制感と恥ずかしさで悶絶しながら

なんとか時間を過ごしてきた。

そのうち、薬がよく効いたのか、

家の中はうろうろできるようになり、

調子が良い日は公園散歩できるくらいになった。

付き合ってる彼女仕事有休代休

ほとんど俺のために使ってくれて、

平日の昼間によく2人で公園に行った。

大学生の時、作ってくれたサンドイッチまた食べたい。

家で暇してるなら作ってよー」

俺が鬱であることをおくびも気にもせず、

カラカラと笑う彼女は可愛かった。

俺はお礼も兼ねて、公園に行く日は

サンドイッチを作るようになった。


作るのは決まってバインミー

ベトナムのナマスを挟んだサンドイッチだ。

当時は1人で人混みに出るのは、厳しくて

母親が買った食材を夜中にこっそり使って作っていた。

バゲットは毎回、彼女が有名なパン屋のもの

買って持ってきてくれた。俺は、中身の具材を

もちより2人で公園ランチを楽しんだ。

増田バインミー美味しいんだけど、

お肉美味しかったらもっと美味しいと思う」

というので、鶏ハム手作りしたり、

ローストビーフを焼いてみたり、

ひき肉でガパオ作ってみたりした。

彼女は本当に満面の笑みで

美味しそうにバインミーを食べていた。

彼女が食べたいというバインミーを作るたびに

俺の症状は軽くなっていった。

タイとかベトナムから輸入したパクチー

味がもっと濃いんだよ!」

というので、

電車に乗って、少し遠くのアジア食料品店へも

行けるようになった。

そんなこんなで2か月くらい

バインミー作りに励んでいた所、

彼女友達手作り結婚式バインミー

出したいと言ってきた。

大勢の人に会うのは

不安だったが、彼女の頼みでもあったので

200個のバインミーを作るのを承諾した。

近くのパン屋さんに頼み、

大量にハムを仕込んだ。

実家冷蔵庫は、バインミー食材

パンパンになっていた。

当日。俺のバインミーは飛ぶように無くなった。

みんながこんなに美味しいの食べたことないと

賞賛してくれた。彼女は嬉しそうにお手伝いをしてくれた。

それから3年。

彼女は嫁さんとなり、その時の会場で知り合った人経由で

バインミーキッチンカーに乗っている。

生活は嫁の稼ぎのほうがずっと多いが、

毎日、とても幸せにやっている。

もし、どこかでバインミー

キッチンカーを見かけたら、ぜひ食べてもらいたい。

3年前鬱から救ってくれた鶏ハムバインミー

今でもウチの看板メニューだ。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん