情報処理には順位があり、例えば脳では触りたいと思っても、熱いものに触ると手を引っ込める。
これは脊髄反射が優先された例。
脊髄反射、延髄反射は、脳で考えた行動よりも優先されるが、脳内での情報処理にも順位づけはある。
オーディオマニアの中では長年の不思議だったそうだが、テレビの音はオーディオスペックのわりには良く聴こえすぎるという謎があった。
その答えは、映像が脳で音を補完しているということだそうだ。
鼻の神経は脳に直結しているし、眼球は脳の出張所のようなところだ。
聴覚情報が視覚情報に影響されるということは、脳の構造的にも頷ける。
体臭を気にしろというレベルのことではなく(実は、異性の体臭については好きという人もいるので難しい)たとえばこういうことだ。
好きな相手といればいい音楽に聴こえるし、嫌な相手といればいい音楽には聴こえない。
ライブハウスの空気(薄暗い視覚情報や、肌に伝わる空気の振動)は、演奏の上手い下手に関係なく気分を高揚させる。
一緒になにかを食べるとして、”臭いけど美味しいもの”と、”いい香りだけど不味いもの”だったら、後者のほうが受け入れられやすい。
なぜならば、嗅覚情報は味覚情報よりも優先されるので、“臭い”を許容して美味しいと感じてもらうためには、相当な慣れを要さねばならない。
他方、香りがよければ、甘い、塩っぱい、酸っぱい、苦いはかなり許容される。
一番犯しやすいミスは、”見た目はアレだが美味しい料理を出す店”や”見た目は不味そうだが美味しい料理”というチョイスである。
デートではまず見た目を重視すべきだ。
当たり前のようで、多くの男性はこれを間違える。
ヒトの本能行動はかなり少ないと言われている。
数少ない本能行動というと、全人類に共通するコミュニケーションが挙げられる。
たとえば、”目をみて頷く”という行動がある(実は、頷く前にわずかに眉を上げるという行動も含まれている)。これは全人類で共通とされている。
緊張すると早口になるとか、怒りや不快を示す時に低い声になるとか、下から睨むような目つきをするとか、これらも本能行動なのではないかと言われている。
目をみて、よく頷くこと。こんな単純なことだが、相手にコミュニケーションが円滑に進んでいるという安心感を与える。
決して怒りを露わにしないこと。怪訝に思っても睨みつけたりしない、これだけで相手の警戒は軽減される。
早口にならないこと。気持ちが浮ついていることは必ず悟られる。これさえ守れば、おどけた道化を装っても、落ち着いて構えていられる自信に満ちた男ということが相手に伝わる。
以上、ナンパ本やコールドリーディング本に足りないとおもったことなど。
続く、かもしれない