つらつら書く
当時の彼女は失恋したり、新しい職場に入ったばかりでかなり荒んでいた。
俺は肉親を亡くしたり新しい職場でもまだ馴染めず、テンションが全体的におかしかった。
俺は言うのもアレだが人妻にモテる方で、その方面に結構な浮名を流していた。それは彼女も知っている。
彼女はサークルの真面目な先輩が好きで、なかなか気持ちを伝えられずにいたようだ。
そんな状況のなか二人でサシ飲みをして、寂しい二人はお決まりコースへ、、、
当然彼女は俺のそんな背景を知っているからもともと一晩だけの関係のつもりだったみたいだが、念の為に距離を取ったり冷たくしたり、彼女の前で他の女の子口説いたり、
面白おかしく共通の男友達にネタとして夜の事を喋ったり。まあ随分酷い事をした。
しかし、一度男と女になれば関係は元には戻らず、多分、お互い引き寄せられる雰囲気になった。
それまで単なる風景でしかなかった彼女の中に自分との共通点を見出し、彼女もこちらに合わせてきた、気がする。
ただし、あの夜の事は無かった体で、努めて友達のままで。
しかし、彼女はサークルの先輩の事をずっと気にしているようだ。
そりゃそうだろう。サークル内はその先輩以外、俺も含めロクなのがいない。
しかし、なかなか決定打を出さない彼女。どうやら遠回しにフラレてしまったらしい。
あの夜から2年後の飲み会で俺はみんなの前でフザケた感じで彼女に告った。
彼女も楽しそうに分かったと言ってくれた。
雑魚寝してその日は別れて2ヶ月後、彼女から「私と貴方は付き合ってるの?」とメールがあった。
俺は「付き合ってないよ」と返事した。もっとやりとりしたかったし、彼女からもっと押して欲しかった。
当時俺は職場の人妻とたまの逢瀬を楽しんでいたし、ものすごく傲慢だった。
他にも職場の友人からの紹介で、ちょっといい女の子とデートをしたりもしてた。
5年間好きな彼女とはほんのたまーにメールでやり取りをする程度だった。
彼女と俺の趣味は物凄く合う。あと、顔も体も好きになっていた。
やはり俺ではダメなんだろう。当然なんだが、、、
今年に入ったある日の雪の日、彼女を部屋に呼んだ。趣味の物を渡すためだ。
彼女はゆうパックでいいのにといったが、わざわざ部屋に呼んだ。
もし、彼女から一押しがあったら告白する、そうでなかったら追い返す。
彼女の口からサークルの先輩を引きずっているという言葉を聞いた。
俺は大して好きでもない職場の女の子が気になると言ってしまった、。
夜中の2時前、彼女から電話があった。やはり自宅までの電車がなくなって、身分証もないから満喫にも泊まれないと。
俺は断固として彼女を受け入れなかった。タクシーで帰れと言った。
ここまですれば彼女との関係も切れてしまうだろう。取り敢えず俺は女には不自由はしてないのだから。
俺はこれからは誰も好きにならないし、結婚もしないし、下衆で最低な男のまま、きっと最後まで一人なのだろう。
ここまで書いた文章を読み返しても、俺はいきあたりばったりで傲慢だ。