おとといの夜、家で夕飯を作って待っていたら、夫が、4歳と2歳のこどもたちを連れて帰ってくるなり、怒鳴り散らし始めたんですよ。
相手は、4歳の娘。
もう凄まじい剣幕で、(私にとっては)よく意味のわからない内容を捲し立てている。
少々背景を説明しておくと、夫は職場から直接保育園へ迎えに行って、そのまま子供たちを耳鼻科へ連れて行く日でした。
この耳鼻科がかなり混んでいまして、この日は特に、普段より1時間くらい帰宅が遅れていたんです。
長時間待てば子供たちも焦れるので、なだめすかす監督者としては、いろいろ大変なわけです。特に4歳の娘は口が達者になってきており、これまでにも何度も、夫と娘は喧嘩した過去がありました。
でもこの日は、ちょっと夫の様子が尋常ではない。言い分を聞いて、少しでも感情の高ぶりを散らそうと「なに、どうしたの?」と割って入る。
が、夫の話は、まったく要領を得ない。
相手に理解してもらう努力を一切放棄してしまうくらい、興奮しすぎていたんですよ。
あまりに4歳の娘がかわいそうだし、2歳の息子も呆然と父親を見上げる始末なので、「何言ってんだよ! 意味わかんねーよ。頭おかしいんじゃないのか!!」と強く言い返しました。
すると夫は、泣き崩れるかのように、
「頭おかしいんだよ!」
「疲れてるんだよ!!」
と叫んだんです。
父親にも「もう無理!」と声を上げる権利がある
夫はそのまま、2階へあがって行きました。
そのあとで夫の後を追いかけて、
「(大変なら)呼んでくれれば、車で迎えに行くから。全部ひとりで抱え込んでそんなんになってたんじゃ、自分だって大変だし、子供たちもかわいそうだよ」
言ったのは、たったひと言、それだけ。
私は、自分が子育てをするために、自由に時間を使えるフリーの仕事になりました。
夫には絶対に一人で抱え込まないでほしいんです。無理なら無理で、投げ出してほしい。
※「一人で抱え込まないでほしい」というのは正直、反面教師と言いますか、私自身のコンプレックスなんだと思います
夫はその日、普段の1.5倍くらいお酒を飲んで、私には冷たく当たる。理不尽だなぁと思いつつ、子供たちにはだいぶ柔らかく接していたので、まぁだったらいいかと。子供たちに優しくしてくれるなら、本望です。
ふだんは夫の分担になっている食器洗いを私がやり、子供たちを寝かしつけました(いつも、2歳の息子はたいてい夫と寝たがる)。夫は少しは自分の時間が持てたんじゃないでしょうか。
さらに昨日と今日は、夫の担当になっている保育園の送り迎えまで、私がやりました。
私はそのぶん仕事の時間が減るわけですけど(夕飯づくりも洗濯物たたみも私がやっているので、送り迎えの時間がけっこう馬鹿にならない)、でも子供たちを傷つけるよりは100倍もマシです。
私は、夫の「頭おかしいんだよ!」「疲れてるんだよ!!」という叫びを聞いて、ある意味ほっとしました。
もし爆発してくれなければ、「もう無理!」という思いは、たぶん表に出てこなかったはずだからです。
人間誰しも、精神的・肉体的に厳しいときは、余裕がなくなります。子供がだだをこねたときに、笑って応じられるときもあれば、必要以上に怒鳴り散らしてしまうときもあるわけです。
根性でどうにかなる問題じゃありません。精神的・肉体的限界は決まっていて、そのときに持っているモノでやるしかないんです。
それは私も夫もお互い様です。
父親だって、「もう無理!」という状態だったら、投げ出していいんです。
だって親はふたりいるんですから。本当によくできたもんですよね(蛇足ですけど、一人親は逃げ場がなくて本当に大変だろうな、としばしば思います)。