2013-11-13

僕とパチ屋と頭の中の神様

僕はパチンコに行く。自分ギャンブルなんかには縁のない性格だと思っていたが、無職の暇な時に一度やってみようかな?とパチ屋に入ってしまった。それからお決まりの様にハマっていってしまった。勝ち負けを楽しみたいのではなく、当たり外れを出来るだけ長く楽しんでいたい性格のため、打つのは専ら1ぱちだ。演出に一喜一憂するのは楽しい。でも、後ろめたい。うちは父が大のパチンコ嫌いだから尚更だ。親にはゲーセンに行ってると嘘をついてパチ屋に通っている。

今まで何度もやめようと思った。勝っても負けても全回転が見れても、親に嘘をつく後ろめたさから逃げられない

就職したら辞めよう。辞められなかった。

車を買ったら辞めよう。辞められなかった。

1ぱちとはいえ日に2万負けることもある。それだけ休みの日は朝から晩までパチ屋に居座っているのだ。元々暇潰しに始めたことだけど、ここまで来るともう暇潰しとは言えない。今は貯金の範囲内で遊んでいるけどパチ代のお陰で月の収支は赤字だし、金銭感覚も狂ってきていると感じる。数万パチンコにつぎ込むのもそうだが、パチンコをやる前は高いと思っていたものも、深く考えずに買ってしまうようになった。

このままだと良くない。でもパチンコを辞められない。

だったらまずは使う金額をセーブするところから始めよう、と思ってパチンコ専用財布を作ることにした。そこに1万5000円入れて、収支は財布の中身だけで遣り繰りしようと決めたのだ。

ここで話は突然変な方向へ飛ぶ。僕はひふみ神示を読んでいる。ひつくのかみという神様がある神主さんに書かせた文書で、日本神の国というトンデモから毎日掃除大事という日常的なところまでフォローした預言書だ。あんまりにも日本を持ち上げてるので本当かよ?と思う部分は多いものの、日常についてなどは結構いいことも書いてあり、なんだかんだで愛読している。

で、信心深い僕は一度ひつくのかみ様を祀ってる神社に行ってこう願った。「ひつくの民としての導きを下さいますように」

その願いは叶った。その日から、僕の頭の中で神様が話すようになったのだ。

もう少し詳細に説明すると自分と対話してる感じなんだけど対話相手の僕の口調が神様口調というか。色々と訊いてみたけど、結局僕が分かることしか教えて貰えないらしい。神にはその人の御魂相当のモノしか写らんとか。で、仕事したりしてるとよく叱られる。特に手抜きしようとすると、「行き届かぬぞ、行き届かぬことこの方嫌いぞ」とか。

で、こんな微妙不思議体験をしつつ話はパチンコに戻る。

僕がパチンコをすると神様はこんな事を言う。「お主の御魂悪神に使われておるぞ」と。それでもパチンコに行く僕には、「懲りるまで打ってみさらせ。ただし、早くの改心が楽ぞよ」とか言っていた。

で、前述の通り辞めようとしても辞められない僕は、パチンコ専用財布を持つことに決めたのだ。

初めてこの財布を持って会社に行った日、その日は父が仕事で一日中家にいない日だった。早く帰らなければ、母は一人で心細い思いをすることになる。でも僕は、仕事が終わったらパチンコに行くことばかり考えていた。

神様が言うには、天には道があるらしい。その道から外れたことはできない仕組みになっているとか。ではパチンコを辞められない僕はその道から外れたのかな?と考えていて悟った。

僕が歩いている道は我よしの道だと。

自分けが良ければいい考えなのだから、その道を歩く限りパチンコなんて辞められる訳がないのだ。自分けが良ければいい考えだから、母の不安無視してでも父に嘘をついてでも店に行くし、当たることを願って台に座るし、負けてる人の横で勝ちを謳歌できる。このことに気づいた時、目から鱗が落ちる気がした。

でもパチンコに行った。

うん、流石に神様も呆れてた。でも僕は、パチ財布の中身を増やしたくて、中の1万5000円のうち5000円分だけで普段打たない4ぱちで勝負し、負けたらそのままスッパリ帰る気だった。それなら帰るのも遅くならず母を心配させることもない。

そして会社からほど近いパチ屋に着いた。2つの台のどちらを打つか迷ったが、適当に座った。普段打たない4ぱちで軽く手に汗をかく。5000円分アッサリ負けた。でも帰らず、もう一台の方に座り5000円分打った。負けた。1時間もかからず1万円が財布から消えた。この頃には何としても当たりを引きたい気持ちになっていたので、1ぱちの台に移動して残りの5000円分を打つことにした。3000円くらい費やしたところで当たったが、連チャンは続かず残り2000円と1000円分の玉。この時点でかなりどうでも良くなってきて、今日パチ財布の中身を使い切ってパチンコは金輪際辞めようと思っていた。そう思っていたところで神様が言った。

「悪神はお主にパチンコをやめて欲しくないと思っておるぞ。だからお主を次もパチンコに誘うために当たりを出すはずじゃ。もし当たらなかったら、お主はエサがなくともパチンコが辞められない御魂だと侮られてることになるぞ」

果たしてどうなのか。僕は一旦1ぱちの玉を清算して、残った3000円で再び4ぱちの台に向かった。

1000円、当たらない。2000円、当たらない。3000円、最後の玉が飲み込まれた。当たった。本当に最後最後で。賞球を出すための玉すら残ってなかったので、仕方ないか普通財布で1000円追加した。

本当に信じられなかった。だが、神様は事もなげに言う。

「これで出た当たり分が、悪神がお主につけた値段ということになるの」

連チャン中も、なんだか釈然としない思いで打っていた。大当たりしているのに嬉しくなかった。家にいる母に申し訳ない気持ちと、それでも大当たり中の台を捨てて立ち上がれない自分が嫌になっていた。

結局、悪神が僕につけた値段とやらは3万5000円だった。

僕は急いで店を出て、直ぐに家に電話し遅くなったことを詫びて真っ直ぐ家に帰った。

とりあえず、その3万5000円はまだそのままパチ財布の中にある。

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