もうすぐ出産予定日を迎える。
妊娠は予定外の出来事だったが、思えばあっという間のことだった。
実は妊娠が分かった時には父親が末期のガンで、私を含めた家族はてんやわんやだった。
去年末に父が亡くなって、その後は葬式や法事の出来事しか覚えていない。
それらがやっと落ち着いた頃に、別の問題が浮上した。
母親と居るとひどく疲れる。気を使ってぐったりしてしてしまう。
とにかく、口を開けば亡くなった父への愚痴や批判ばかりで辟易していた。
まだ精神的に不安定だから聞き役に徹していたが流石にストレスが溜まる。
父親はワーカホリックで家に不在がち、母親は過干渉と放任の両極端。
きちんとした診断は受けていないけど、多分私はACだったと思う。
18になったら絶対に家を出てやる、それだけを心の糧にして実行した。
そうして、10年近く経ってお互い適度な距離を持つことで良好な関係になれたような気がしていた。
だが、それは私の一方的な思い過ごしだった。
私は、10年の間に大学に進学したり、就職したり、結婚したり、
人間的に成長する機会に恵まれ、少しは成長できたと思う。
だが、母の性格や中身は一向に変わっていなかった。
私のこれまでの10年と母のこれまでの10年では年月は同じでも、
生意気なことを言わせてもらえば、私はとうの昔に母親を「越えて」しまっていたのだ。
会う度に、ネガティブな感情の受け皿にされることに不満を覚えた。
これが、通常の心身状態だったらまた違っていたかもしれないが、
仮にも自分の娘が妊娠しているのに、呪いのような言葉をぶつけるだけ
少しでも、自分の思い通りの言動に私が対応しないと途端に機嫌が悪くなる母。
そんな母親の対応に怯えて、いつも疲れきっていた父と私。時々妹。
そういう恐怖に囚われていた感覚が次第に蘇ってきた。
だが、もう私は昔のような子どもではない。
もう、母親の顔色を見てご機嫌取りのようにしなくても良いはずだ。
そのことに気付いた時、憑き物が落ちたようにボロボロと涙が出た。
私にとって、今や母はモンスターだ。
もうこれ以上、人間的に成長する機会があるわけでもない。
夫も居なくなり子どもも自立した家で一人で孤独をこじらせている。
そうなった原因を、そこに至る過程を、決して自分の行動を振り返らないで
他者に要因ばかり見つけようとしている、自己愛に塗れた怪物だ。
これから先も、このモンスターに私の人生は支配されてしまうのか。
自分の思い通りになった時だけ褒め、それ以外は見向きもしない。
都合が悪くなれば、「私のせいじゃない」と匙をなげる。
今は、それが怖くて怖くてたまらない。
子どもにとって、母親というのは神様でもなるし怪物にもなり得る。
世の中の大半の普通の女性は、「自分のお母さんのようになりたい。」
というのだろうけれど、私は絶対になりたくない。絶対に。
時々、旦那に私の怒っている様は、私の母親とそっくりだと言われ、
背筋が凍りついたようにぞっとする。
私はもう、モンスターになりかけているのかもしれない。
ぐだぐだとこんな事書いてる時点で100%母親そっくりの人間になりますねあなた。 さっさと離婚して子供は旦那に任せた方が子供の為じゃないっすか? …と言うと発狂するんだろうな...