アベノミクス批判してる人の中には、しっかりした傾聴すべき意見も勿論多いが、一方であまりにも経済というものを理解してないものも散見されるような気がする。
理系の高学歴の人であっても、そういうのは学ぶ機会が無いからなあ…
例えば、
「誰かが得をしてるということは、誰かが損をしてるということなのです」
という言葉をよく聞く。
質量保存の法則のように、社会の富(価値)は一定であり、所詮は経済なんてゼロサムゲームである筈だ、という前提による世界観なんだけど、基本的にこれは正しくない。
なぜなら、(人間にとっての)「価値あるもの」は人間の活動(労働)によって作り出すことが可能だからだ。
そして、人間による価値創造活動を促すのが、経済(お金)の役割であり、経済活動がうまく回れば、社会全体が持つ全体価値は増えていくのだ。
「景気が良い」というのは、基本的に、全ての人間が得をする状態なのである。
それでも「それは日本国内(円経済圏)だけが得をするという意味だろう?」と考えて「日本の好況は世界の迷惑」だと思いこんでるような左翼も稀にいるようだがそれも違う。
何度も言うが全体としては、経済をエンジンに人類が労働によって価値あるものを生み出していくのだから、いずれその価値は国から湧き出でて、世界に恩恵をもたらすのである。
他には、「こんなのはバブルに過ぎない」と否定する向きもある。
バブルというのは、実体経済とマネーゲームによる経済が乖離した状態を指す。
これは確かに警戒せねばならない。マネーゲームは生産活動を促さない。まさに資本主義の罠である(必要悪なんだけど)。
そこで、市場に余ったカネがマネーゲームに流れすぎないようにするにはどうすればいいか。
実体(実労働)を要求する「仕事」を作り上げることで、そこに重要を引き起こし、「実体経済にお金が必要」な状況を作り出してやるのである。
そのためには、その「仕事」は、大量の材料・労働力・技術革新を要求し、さらに続く需要への連鎖性が高いものでなければならない。
よって経済対策を目的とした財政出動の対象は、そういった需要の連鎖性"だけ"を選定基準にするべきである。
「誰かが得をしてるということは、誰かが損をしてるということなのです」 というのは、確かに思考停止だが だから、「誰かが得をしてるということは、誰かも得をしている」 という...
労働集約型産業だけ持ち出して、円安になっても雇用が回復しないとか、誰かを騙すためとしか思えない批判ばかりだよな。 個人的には長期金利の上昇についての議論が気になるが。ま...