2013-05-21

「誰かが得をしてるということは、誰かが損をしてるということ」なの

アベノミクス批判してる人の中には、しっかりした傾聴すべき意見も勿論多いが、一方であまりにも経済というものを理解してないものも散見されるような気がする。

理系高学歴の人であっても、そういうのは学ぶ機会が無いからなあ…

例えば、

「誰かが得をしてるということは、誰かが損をしてるということなのです」

という言葉をよく聞く。

質量保存の法則のように、社会の富(価値)は一定であり、所詮経済なんてゼロサムゲームである筈だ、という前提による世界観なんだけど、基本的にこれは正しくない。

なぜなら、(人間にとっての)「価値あるもの」は人間の活動(労働)によって作り出すことが可能だからだ。

そして、人間による価値創造活動を促すのが、経済(お金)の役割であり、経済活動がうまく回れば、社会全体が持つ全体価値は増えていくのだ。

「景気が良い」というのは、基本的に、全ての人間が得をする状態なのである

それでも「それは日本国内(円経済圏)だけが得をするという意味だろう?」と考えて「日本の好況は世界迷惑」だと思いこんでるような左翼も稀にいるようだがそれも違う。

何度も言うが全体としては、経済エンジン人類労働によって価値あるものを生み出していくのだから、いずれその価値は国から湧き出でて、世界恩恵をもたらすのである

他には、「こんなのはバブルに過ぎない」と否定する向きもある。

バブルというのは、実体経済マネーゲームによる経済乖離した状態を指す。

これは確かに警戒せねばならない。マネーゲーム生産活動を促さない。まさに資本主義の罠である(必要悪なんだけど)。

そこで、市場に余ったカネがマネーゲームに流れすぎないようにするにはどうすればいいか

実体(実労働)を要求する「仕事」を作り上げることで、そこに重要引き起こし、「実体経済お金必要」な状況を作り出してやるのである

そのためには、その「仕事」は、大量の材料労働力技術革新を要求し、さらに続く需要への連鎖性が高いものでなければならない。

よって経済対策を目的とした財政出動の対象は、そういった需要連鎖性"だけ"を選定基準にするべきである

「そんなことより今必要なのは弱者救済だ」とかい意見は、話をごっちゃにしている。

福祉に予算必要なのは勿論だが、それは経済対策とはあくまで別の次元で考えるべき問題なのである

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