2012-02-19

MBS大阪アメリカ教育改革を絡めた動画が非道い

ホッテントリに上がっていた以下の記事と記事内にあった動画を見ました。

大阪教育基本条例アメリカで破たんした落ちこぼれゼロ法とそっくりと指摘した報道番組VOICEに逆上する橋下氏

http://akiharahaduki.blog31.fc2.com/blog-entry-776.html

動画

2.16VOICE米国教育改革の落とし穴」

http://www.youtube.com/watch?v=kR5V2fn4Lws

2.17VOICE競争の果て...NY教育改革の実情」

http://www.youtube.com/watch?v=nFVTF0rRyXs

このブログ自体は、記事一覧(http://akiharahaduki.blog31.fc2.com/archives.html

を見るかぎり反橋下記事で埋め尽くされていますので、そういうスタンスブログであり、大した検証や理解もなく自分に都合のよい情報に飛びついただけであろう、という事は分かります

しかMBS動画の方は非道いですね。

アメリカのNo Child Left Behind Act落ちこぼれゼロ法)について失敗であったと断じ、ことさらネガティブイメージ報道していますが、一体何を根拠にこんなことを言っているのでしょうか。

動画内に登場するDiane Ravitch教授が著名な学者あり落ちこぼれゼロ法支持から不支持に変わった人物であることに間違いはありませんが、それはあくまで彼女個人の思想の問題です。

Why I Changed My Mind About School Reform - http://online.wsj.com/article/SB10001424052748704869304575109443305343962.html

動画では彼女コメント以外に失敗と断じた根拠が一切示されていません。

グラフの一つすらも出てきません。実際見た方の中には違和感を覚えた方も少なくはないと思います

それはある意味当然でしょう。

現在アメリカでは落ちこぼれゼロ法で示された教育改革の方向性はむしろ加速しています

確かにオバマ大統領落ちこぼれゼロ法の撤回を決めましたが(http://tpmdc.talkingpointsmemo.com/2011/09/gop-pounces-on-obamas-education-changes.php

それは当初設定された、2014年までにアメリカ全土の学生全ての学力レベル一定以上に引き上げる、という目標値が高すぎたためにその目標を断念したというだけです。

学力テストがなくなるわけでも以前の教育制度に戻るわけでもありません。

更に、校長教員の評価システムについては今後も推し進めるとしています

Under Obama’s new plan, states can request flexibility from specific NCLB mandates, but only if they are transitioning students, teachers, and schools to a system with college- and career-ready standards for all students and developing built-in accountability that reports the lowest performing 5 percent of schools and the 10 percent with the largest achievement gaps, as well as teacher and principal evaluations that include student performance.

この教員評価システム現在、全米で強く進められている政策で(http://ameblo.jp/terada1963/entry-11039010391.html

全米の内45州で何らかの能力給が導入されています

例えば、フロリダ州マイアミでは、学力テストの結果を元に教員ボーナスを支給するとしています

更に複数の州で導入されている教員評価システムでは教員の長期雇用保障をなくし、毎年更新する形にするともしています

The law also eliminates long-term job protection for new teachers, instead putting them on one-year contracts.

http://www.passingnotes.net/index.php?showtopic=1409



このように、もしアメリカ教育改革を持ち出すのであれば、どちらかというと橋下さんに味方するものといっても良いくらいでしょう。

もちろん現段階でこの政策、教育改革が将来、成功であったと評価されるのか失敗であったと評価されるのかそれは分かりません。

しかし、それを

多くの教育者や生徒、親たちから「失敗だった」との声が上がるアメリカの「教育改革

と、自分たちの都合のよいように現実を歪め一部を抜き出し決め付けて報道する姿勢はどうかと思います

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