はてなキーワード: 映画芸術科学アカデミーとは
アカデミー賞授賞式でのアジア人差別ジョークが波紋…アン・リー監督らが抗議
https://www.cinematoday.jp/news/N0081261
正式に抗議しても改めなかったんだね…
「現地時間2月28日に開催された第88回アカデミー賞授賞式でアジア人に対する「趣味の悪い、侮辱的な」ジョークがあったとして、映画『ブロークバック・マウンテン』と『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』で2度のアカデミー賞監督賞に輝いたアン・リー監督や「スター・トレック」シリーズのジョージ・タケイら25名のアジア系アカデミー会員たちが、アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーに抗議の手紙を送った。The Hollywood Reporter などが報じた。
【写真】問題となっている場面…アリ・Gにふんしたサシャ・バロン・コーエン
問題となっているのは、司会のクリス・ロックがアカデミー会員の投票を集計する会計士としてアジア人の子供たちを紹介するという、“アジア人は数学が得意”というステレオタイプを強調した寸劇と、プレゼンターを務めた『アリ・G』のサシャ・バロン・コーエンが「なぜ彼らのためのオスカーがないんだ。とても勤勉で、ちっちゃな性器のついた黄色い人たちに」(その後、「わかるでしょ? ミニオンズのことさ」と続けている)というジョークだ。」
アカデミー賞、作品賞の新基準を発表 「主要な役にアジアや黒人などの俳優」「女性やLGBTQ、障がいを持つスタッフ起用」など
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5f583b55c5b62874bc158b89
「アカデミー賞」を主催している映画芸術科学アカデミーは9月9日(日本時間)、2024年から、作品賞の選考に新たな基準を設けると発表した。作品賞を受賞するためにはいくつかの条件を満たさなければいけないとし、その中には、「主要な役にアジア人や黒人、ヒスパニック系などの人種または民族的少数派の俳優を起用すること」や、「制作スタッフの重要なポジションに女性やLGBTQ、障がい者が就くこと」などが挙げられた。
もしこの基準を2020年公開の作品にも適用するなら、主人公をアジア人女性が演じ、主要なスタッフにも数多くの非白人が携わっている「ムーラン」あたりが有力候補になりそう。
アカデミー賞の基準についに「多様性の確保」が盛り込まれることとなった。アカデミー賞の審査をするところは、映画芸術科学アカデミーという組織なのだが、この組織の構成員の割合もまた、同じような「多様性の確保」がなされている。
これは今年の映画芸術科学アカデミー会員への招待者リスト(https://www.oscars.org/news/academy-invites-819-membership)や会員の統計(https://www.oscars.org/newmembers2020/pdf/2020_new_members_overview.pdf)を見てみるとよくわかる。
とはいえ、こうした「多様性の確保」が、この組織だけの問題であるのかというわけではない。
例えば、2016年の記事「映画芸術科学アカデミー、メンバー加入打診で多様化意識」(https://www.afpbb.com/articles/-/3092334)を見てみると、
とあり、映画芸術アカデミーの内部的問題以上に欧米世界の問題であることがわかる。
この「多様性の確保」は、そもそも何を確保しようとしているのか。それは欧米世界における諸人種の公平化である。そして、これは逆説的に欧米世界において特定人種が不当に扱われてきたことを意味している。
そうした歴史は、ここで今更言うまでもないことであるが、日本国内にいる我々にとっては馴染みの薄いことである。(国内においても、様々に人種問題はあるが、ここでは議論しない。)
では、この「多様性」はどのような意味で「多様」であるのか。それは、まずは人種的な意味で「多様」であるということでしかない。
これは、優等人種と劣等人種という区別構造をそのまま保持しているという点で、レイシズムの裏返しや変奏であるとすらいえる。
そして、それは個々人を判断の基準にせずに、単に人種を判断の基準にするということである。
また、こうした「多様」の意味合いは障がい者やLGBTといったものを判断基準にすることもある。これは人種とは異なるものであるが、しかしこれにしても人種と同様なのである。
というのも、特定の属性をその個人の表象として扱い、それ以外のものを捨象しているという点で、その構図は同じであるからだ。
そして、そのように表象として個人を判断し、あまつさえ、その属性の代表として表象化されたその個人を活用するのだ。これを残酷と呼ばずになんと呼べばよいのか。
representation という英単語があるが、これは表象という意味と代表という意味がある。こうした「多様性」はまさに representation を基礎に据えて考えられた「多様性」なのである。