2023-01-24

マイカリー食堂は「7種の野菜バターチキンカレー」だけ値段設定が変

松屋カレー業態マイカリー食堂

牛めしの「松屋」と同じ松屋フーズが運営するカレー専門チェーン「マイカリー食堂」をご存知ですか?

ここ2、3年で急速に店舗数を伸ばしており、この文章を書いている時点で開店予定の店舗も合わせて全国に128店舗あるそうです (https://pkg.navitime.co.jp/matsuyafoods/spot/list?category=0601.0602 )。「カレーチェーン店店舗数2位」だそうです。(1位はまあ明らかですね)

ただしそのうち119店舗は「併設店」(「複合店」とも)と呼ばれる形態で、牛めし業態の「松屋」もしくはとんかつ業態の「松のや」と一体になっています。一方で残りの9店舗は「専門店」と呼ばれ、マイカリー食堂単独店舗です。専門店はすべて東京都内にあります。併設店と専門店では取扱メニューや値段が微妙に異なっており、ホームページ店舗検索ページやメニューページでも分けて掲載されています

専門店の「7種の野菜バターチキンカレー」と併設店の「彩り野菜バターチキンカレー

今回お話しするのは「専門店」の次のメニューについてです。

このメニューは、盛り付け写真こそ違いますが併設店の「彩り野菜バターチキンカレー」(720円、https://www.matsuyafoods.co.jp/mycurry/menu/butter/irodori_butter_chicken_hp_220502.html )と全く同じ商品です。それはリンク先下部の栄養成分を見比べればわかります。全く同じ商品店舗によって220円も値段が違う。すでに納得いきません。ですが、併設店と専門店で値段設定が違うこと自体はよくあるのでそれだけならいいのです。問題は、専門店メニューうしの価格関係がぶっ壊れていることです。特にバターチキンカレー」(760円https://www.matsuyafoods.co.jp/mycurry/menu/senmon_butter/butter_chicken_hp_mycurry_221124.html ) との値段差が180円もあるのがどう考えても意味不明です。ちなみに併設店の「バターチキンカレー」は620円で「彩り野菜の〜」との値段差は100円です。こっちは適正です。以下、意味不明である理由説明します。

マイカリー食堂価格設定の基本ルール

まず前提として、マイカリー食堂の、特に専門店の各メニュー価格は、基本的には対応するトッピングと「プレーンカレー」の値段をもとにかなり規則的に計算されています

プレーンカレー」というのはトッピングが何もなくカレーソースライスだけのシンプルカレーです。専門店では現在マイカリーソーススパイシーソースビーフカレーソースバターチキンソースグリーンカレーソースの5種類のカレーソースがあり、バターチキンソースグリーンカレーソースを除いた3種類について「プレーンカレー」が用意されています。具体的には次のものです。

そして、これらのソースを用いたメニューの値段は、おおむね「プレーンカレー」の値段+(対応するトッピング個別に購入した場合の値段×約0.9) を原則として設定されています。具体例を見てみましょう。

例外的に、ロースかつを使ったメニューでは値引率が大きくなり「×約0.9」の原則から外れます特に看板メニューである「手仕込みロースかつカレー」と「ロースかつオムレツビーフカレー」はおトク度が高いです。

ここでマニアックな補足をしておくと、「煮込みビーフカレー1000円は「ビーフカレー」580円+(「トッピングにんじゃが」150円+「トッピングビーフ」330円)×0.9という式では求まりません。「煮込みビーフカレー」に入っている具材の量が個別トッピングより少ないからです。栄養成分の数値で見ても、例えばカロリーは「ビーフカレー」+「トッピングにんじゃが」+「トッピングビーフ」より40kcal少ないことが確認できます。なのでその分「煮込みビーフカレー」の値段はわずかに(原則と比べて1020円ほど)安くなっています

以上の基本ルールは、バターチキンソースと入れ替わりで既に終売したチキンカレーソース使用メニューでも成り立っていました。

理論上の存在バターチキンカレーソースプレーンカレー」の価格を求める

では、「7種の野菜バターチキンカレー」はこのルールに則っているのでしょうか。先ほどのようにトッピングプレーンカレーの値段を元に足し算してみたいところですが、先述の通り専門店にはバターチキンソースプレーンカレーはありませんのでそれができません。しかし、併設店にはあります!(実は専門店にも以前はあったのだがいやらしいことにしれっとなくなった)

もっとも、併設店の値段は目安にはなりますが、そのまま専門店の値段の計算に使うは危険です。マイカリーソースプレーンカレーの値段も併設店では400円(メニュー名「プレーンカレー」だが「オリジナルカレー」と同一商品)であり専門店と異なっています

そこで、ちょっとテクニカルなことをします。

現在専門店期間限定メニューあいもりカレー」は、キーマカレー既存カレーソース5種類ののうちの1つを半々ずつ盛り付けカレーです。カレーソースによって値段が分けて設定されており、次のようになっています

これを先ほどのプレーンカレーの値段と比較してみます。すると、だいたい「あいもりカレーの値段差=プレーンカレーの値段差÷2」となっていることがわかります。つまり

となっているのです。これを用いて、架空の「バターチキンソースプレーンカレー」の理論上の値段を計算することができます。「バターチキンソースプレーンカレー」の値段をx円と置くと、

見事「バターチキンソースプレーンカレー」の値段は430円と求まりました。先ほどの併設店の値段とも一致します。完璧です。これでようやく本題に入れます

本題。「7種の野菜バターチキンカレー」の価格は適正か。

と、その前に、まずは「バターチキンカレー」の価格が適正かどうか確認しておきましょう。

等式が成り立っており、専門店価格は併設店より高いながらもご覧の通り適正でした。「×約0.9」の原則あくま専門店のものであって、併設店の方が(ロースかつ使用メニューを除き)安い傾向があります(2023/01/26 9:53一文差し替え)。

(※実は「バターチキンカレー」も先ほどの「煮込みビーフカレー」の場合と同様に、栄養成分の数値で見ると「(併設店の)トマトクリームカレー」+「トッピングにんじゃが」+「トッピングチキン」より少ないため、原則と比べて1020円ほど安いことが期待されます。なので厳密に言えば等式が成り立ってしまうということは適切価格より1020円高いということになります。ですがまあそれくらいは誤差のうちでしょう。)

ついでに、バターチキンソースを使ったもう一つのメニューバターチキンオムレツカレー」も見ておきましょう。

適正です。

さていよいよ問題の「7種の野菜バターチキンカレー」です。




…もう見るからイコールではではないですね。右辺から求まる適正価格は800円か810円です。右辺を0.9倍しなくても、つまり理論上の「バターチキンソースプレーンカレー」と各トッピングを単体で買ったとしても合計850円になり940円より安くなります。一応栄養成分を見てみると「7種の野菜バターチキンカレー」=「(併設店の)トマトクリームカレー」+「トッピング7種野菜」+「トッピングチキン」(+「ポーションミルク1個(コーヒー用)」?)で計算が合います。確かにポーションミルク1個(コーヒー用)」(?)の分があるけど、それに130円価値があるわけありません。

940円というのは、すでににんじんじゃがいも玉ねぎが入っている「バターチキンカレー」760円に、さらに「トッピング7種野菜200円をつけた商品適正価格です。正直、ぼったくりもいいところです。何を思ってこの値段設定にしたのか教えてください。何かの計算間違いですか?そうでなければバターチキンソースプレーンカレーメニューにないのをいいことに理不尽に高く設定しているとしか思えません。併設店なら看板メニュー扱いなのもあって全く同じものが720円です。値段が高いということはいものを使っているのだろうとか騙されてはいけません。栄養成分を見てください。専門店を利用する東京都民の皆さん、「7種の野菜バターチキンカレー」が食べたい時は何駅か隣の併設店まで行った方が、もしかしたら交通費込みでも安いかもしれません。

結び

以上、「7種の野菜バターチキンカレー」の値段設定がおかしい件についてでした。読んでいただいた方ありがとうございました。

一応言っておきますが、私は松屋フーズが大好きですよ。大好きじゃなければこんな文章熱量を込めて書きませんので。マイカリー食堂が「カレーチェーン店店舗数1位」になる日が来ますように。

追記

字数制限に引っかかってここに書けないためこちら。→ https://anond.hatelabo.jp/20230125212127

記事への反応 -
  • 高くても販売数が落ちないなら高く売った方が得だろうが。アホか

  • マイカリー食堂をマイスリー食堂に空目した💦

  • 松屋でロースかつカレーを頼むべきなんだな

  • すごい情熱だ。実際計算間違ってそう。 バターチキンカレー760円に対してトッピング野菜150円と7種野菜200円の差額50*0.9円が足されるべきなんだな。

  • 全く同じ商品がブランドによって値段が違うことなどよくある話じゃないですか

  • math屋

  • 誰とは言わないけど読まずにコメントするような人だとは思ってませんでした。ショック

  • バカか?おーいお茶がセブンとイオンで値段が違った時もこんな狂った事を言ってるのか?

  • 見るに耐えない誤読が多発しているので本文の関連箇所を再掲しておきます。 「併設店と専門店で値段設定が違うこと自体はよくあるのでそれだけならいいのです。問題は、専門店のメ...

    • そんな注意書きも書いたところで読まないんじゃないかな

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん