だからTinderというマッチングアプリで日々男漁りをしていた。
Tinderはヤリモクの人が多い。彼氏彼女が欲しくて登録してる人の方が少ないと思う。かくいう自分もヤリモクだし、マッチングして数日以内に会ってヤれる人が好き。
そんな自分より数個上の男性とある日マッチングをした。彼とはノリや話が合ったが、そのとき世はコロナ禍真っ只中で、子宮でしかモノを考えられない自分でもさすがに外出を控えている時期であった。
連絡を取り始め数週間ほど経ち、自分と彼が住んでいる地域の緊急事態宣言が解除されたので、初めて会うことになった。場所は彼の家。これはもうヤれると確信していた。
自分にしては珍しく、アプリのプロフィールやLINEに顔写真を載せていない人と会うことになった。やはり顔写真ない人と会うのは少し不安だった。なぜなら自分は誰とでもヤれるわけではないからである。自分のようなクソビッチでも性欲が湧かない顔ももちろんあるので心配だったが、コロナ禍の中自分と彼は毎日電話をしたりLINEをしたりしていたので、顔がダメでも仲の良さだけでなるだろうという気持ちもあった。
当日、高鳴る胸と膣を落ち着かせながら待ち合わせ場所の彼の最寄りの駅に着いたら、自分の目の大きさの3分の1しか目がない男性がそこにいた。
まぁ、はっきり言うとブスがそこにいた。
「マジか〜…」となる自分。ヤれない。これは絶対にヤれない。だがしかし、改札を出て彼と目があったのにこのままトンボ帰りもできない小心者の自分。
「お待たせしました、はじめまして」と挨拶をして、彼の家へ向かう。
「えっ、ごめん。いつ手出してくるの…?もしかしてそういう目的じゃなかったの…?」
さすがに痺れをきかせて聞いてしまった。
彼は困った顔をしていた。
「家呼ぶってことはそういうことなのかなって私は思ってたんだけど…」
と続けると、彼は困った顔のまま
と言われた。
童貞………童貞かぁ………自分より年上の人で童貞初めて見たなぁ………。
童貞とするのは初めてではない。だが、あまりにもぎこちない前戯だったので、攻守を変わるべきかどうかまんこと思案していたところ、彼が「もう入れていい?」と聞いてきた。
「あ、うん…」
えぇ、短…いやでも前戯してもらった側なのに短いとか足りないとかそういうワガママ童貞に言っていいのか…?ていうか童貞まだ服着てるじゃん、私だけ全裸なのそういうプレイなんか?えっ?
「え、このタイミングで??」
私がつっこむより先に、童貞は枕元の財布を持って家を飛び出そうとしていた。
汗だくになった童貞が帰ってきた。
しかし30分も放置されさすがに自分の有能まんこも砂漠状態である。またセックスがワールド1-1に戻った。
もう正直、ここまでくると「なんかもうどうでもいいな。自分の気持ちよさとか。早く終わらせて帰りたーい」みたいな気持ちになっていた。
雰囲気もないし、前戯が気持ち良いわけでもないし、とりあえず早く終わって早く帰りたい。家帰ってアイス食べたい。
前戯中、自分の身体のコンプレックスに対して、「これなに?なんで触っても反応無いの?」と聞かれて泣きそうになった。なんでこんなにデリカシーないんだろう。
正常位の際のぎこちなさにイラつき、騎乗位に変更。変更して数十秒後、童貞が「あ、イく」と言ってセックスが終了した。
まんこからちんこを抜き、童貞…いや、非童貞の横に寝そべると非童貞はすごい速さでベッドから降り、シャワーへ行った。
え?いや、まぁピロートーク的なん別に求めてるわけじゃないけど、そんなすぐシャワーいく?しかも無言で??と困惑する自分、そして自分のまんこ。まんこはセックスが終わってまだそんなに経ってないのに、カラッカラになっていた。
「めっちゃ喘いでたねw」
と言われ、ぶん殴りそうになった。終わって一言目がそれってなに?マジで。
童貞卒業させてくださりありがとうございましたって三つ指たてて土下座のひとつでもせんかい。
いやせんでいいけど。されても困るけど。
自分史上いちばんしょうもないセックスをしてしまった情けなさで電車の中で泣いた。
そういうつもりじゃなかった(かもしれない)相手を焚き付けたくせに、納得いくように立ち回れなかった自分にも腹が立つし、ゴム用意してなかった相手に30分セックスの途中で放置されたのも、セックス終わってすぐ声もかけられず放置されたのも情けないし腹立つ。
帰り道、全てが嫌になってTinderを消した。
うんち
こういう童貞はプロで実戦を重ねたほうが世のためなんだよなあ。
本物の有能まんこは顔見てダメだと思った瞬間に回れ右しつつ別の相手にコンタクト取るんだよ
大惨事だけど話としては面白いすまん