2007-02-24

頭のいい人が成功できるかどうかの境目

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頭のよさを隠して目立たないようにする処世術なんて足枷以外の何物でもないんだよ。それに思い当たったときは愕然としたね。目立つのが嫌だったし、「頭がおよろしいことで」って言われるのが癪だったから、余計な口出しはしないように、しないように十何年も暮らしてきた。その行動は全くの無駄だった。俺はもっと傲慢に、頭のよさを安全に剥き出しにする訓練こそを積むべきだったんだ。

痛いほどわかる。こういうところを早めに悟れるかどうかが、結果を出せるかどうかの境目だと思う。頭が良くてもそれを示せない奴より、多少自信過剰な奴の方がよっぽど使える。それが現実だ。

私は旧帝大大学院を出た。元々研究者志望だったし、それなりの努力も積み重ねてきた。優秀な奴ばかりが揃っている大学だけれど、研究室に入った頃はホープ的存在だと思われていたらしい。少なくとも、助教授が先輩に「今度入ってきた彼は優秀だよ」と話していたというのは耳にしたことがある。

ところが、私はこれといった実績も残さず、平凡な院生として研究室を去った。研究者への道は早々に断たれ、現在は平凡な新米サラリーマンでしかない。

その一方で、学部生の頃には勉強が好きでもなく、試験前の一夜漬け単位を稼いでいただけの奴らが、どんどん論文を書いて実績を残したりしている。彼らは既に現在世界を舞台に活躍しつつある。釈然としないが、それが現実だ。

私と彼らの明暗を分けたのは何かと考えるとき、どうしても才能とか努力以外の点が目についてしまう。

率直に言って私に才能がなかったとは思わない。努力もそれなりに重ねてきた。しかし、その努力が私の場合はことごとくピントはずれだった。意味のない努力で時間と労力を浪費した。そして努力すればするほど、自分の力不足を痛感し、恥じることとなった。この状況を打開するまでは何も言う資格はないと思いこみ、やりたい研究テーマや悩みについて率直に相談することを避けてしまった。結局、空回りしたままやりたいこともできず、大半の時間を浪費した。そしてその時間は単なる苦痛な時間でしかなかった。研究に入る前の段階で力を使い果たしてしまったのだ。

一方で彼らには失うものがなかった。もはや不勉強は隠しようもなく、そこで開き直ってやるしかない。手取足取りでも何かをやらなければいけなかった。そこで彼らは平気で先輩や教官に頼った。それでも彼らのプライドが挫けることはなかった。知識も経験もないくせに、やりたいことだけは一人前に主張した。「努力していなかったのだから今できないのは当然、でも俺はやればできるんだ」そう思ったことが彼らの勝因だったのだろう。そして一旦手をつけてしまえば、日頃培った一夜漬けの能力でなんとでもなる。そう、一夜漬けができることも重要な能力の一つなのだ。それを自分で認めてやることこそが重要なのだ。

仕事を始めて三年目くらいから、俺の態度は目に見えて傲慢になったと思う。「どうしてこんな非効率なやり方してるんですか?」みたいなことを堂々と言うようになった。

まさにこういうことができるかどうかが、能力を発揮できるかの境目なのだろう。

実際、先輩や教官にしつこく教えを請いまくることはよく考えてみれば学生の本分なのだ。授業料を払っているのだから、「教えてもらって当然」ぐらいの貪欲さでちょうどいいのだ。何かあれば偉そうに口を利いてみるのがよい。やりたいことを主張されなければ、教官とて指導のしようがあるまい。言うだけ言ってみればいいのだ。失うものは何もない。主張した結果「それは無理だ」と言われても、「いやあ、無理っすか。ははは」と笑っていればそれですむ。そして反省点は心の中だけにとどめ、次のチャンスを狙えば良いだけなのだ。

私はそれがついにわからなかった。

現在職場では、二度と大学院での過ちを繰り返したくない。そう考えて色々試行錯誤しているが、二十数年間にわたって染みついた習性は容易に直るものではない。思えば、私は今まで所属していたほとんどあらゆる集団で、「彼はもっとできるはずだ」と言われながら、なかなか実力を発揮できなかった。どうやらその原因はこのあたりにあったのだろう。何も失うもののない状況なのに、人前でおどおどしてしまって言いたいことが言えない。もちろん得をした点もあり、「素直で礼儀正しい」という評価を失ったことはない。しかし、若い奴は生意気で楽天的なくらいが本来ちょうどいいのだ。少なくとも、能力を発揮したければそうすべきだ。

能力は持っているだけでは意味がない。発揮できなければただの自己満足に過ぎないのだ。

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