はてなキーワード: 電車道とは
女性専用のスイーツがあることを聞いた。名前はジェンダーロール。
このロールは食べることによってむこう一年は最速の肉体を得ることができると言われている。
俺は近くのケーキ屋さんでジェンダーロールの在庫を確認しようとした。
閑静な店内で光る店員の視線。あなた男性ですよね、という眼差しは鋭い。
おれはたじろぎながらジェンダーロールの魅力に抗えず、妹が欲しがってるんですと嘘をついた。
ところが突如店員は下目遣いで指を鳴らした。
すると店の外に「なにか」のドップラー音が聞こえてきた。明らかに電車ではない。
振り返った俺の眼に映ったのは一匹の野生の女性だった。遠くから女性が走ってくる。
まずいと思った刹那、女性の飛び蹴りがガラス張りを裂きながら、けたたましい音と共に割り込んできた。
膝をついた女性はしゃがんだ姿勢から首だけこちら側に向ける。野生の目つき。
強い。この女性は強いと思った。絶対に自分の道を譲る気がない。
むしろ自分の通ったあとに道ができるという鬼気迫る覇王の風格だ。
野生の女性とはいえかなりの力だ。もしや、と思って瞬時に店員に目配せすると、店員がほくそ笑んでいる。
俺の推測は正しかった。女性はジェンダーロールによりエンハンス・ジェンダーロール=エロの状態にあったのだ。
とっさに俺は避けたが、電車道のようにエロ女性の通ったハイヒールのあとが炎上して焦げ付いている。
俺は機転を利かせて店内にあるジェンダーロールの見本を遠くの車道へと投げ捨てた。
突如きびすをかえすエロ女性。エロ女性はクラクションが響く車道の中へと消え、衝突音がこだました。
これで終わったとは思えない。
俺は店内を出て即座に走り去った。
あまりの緊張に心臓の鼓動が波打ち、壊れるかもと思うほどだった。
その後付近の車道は道を譲らないエロ女性による突進で血の雨が降ったという。