「田中和生」を含む日記 RSS

はてなキーワード: 田中和生とは

2018-07-07

北条裕子「美しい顔」 書評

高橋源一郎小説家

「この作品で、作者は、それがどんな過酷体験であったかを、まるでドキュメンタリーのように詳細に描いてゆく。ここまで真正からストレートに『あの日』を描いたフィクションはなかったように思う」

辻原登小説家

「これほどの天災を語る時、かつては必らず誰もが『神』について考え、祈ったり呪ったりしたはずが、なぜ登場しないのか。この作品の優れて批評的な部分は、それを『マス・メディア』に置き換えて語っているからだ。『神』は横倒しになっている

野崎歓フランス文学者)

「読み始めるやすぐに、これは並はずれた作品出会ってしまったのではないかという気持ちにとらわれたのだが、その感覚は読み進めるうちに強まる一方だった。激しく胸を揺すぶられ、ときに唸り声などもらしながら夢中で読み終えた」

作品の全体が緊迫感にあふれ、たまらないほどの悲しみに覆われている。しか文章には勢いがあり、いきいきとした躍動があって、平板に陥ることがない」

「ひょっとして実際の災害とは無縁の作者によるものだとしたら、それはまたこ小説の驚嘆すべき点」

「破格の筆力によって、日本のみならず世界に向かって発信されるべき作品が生まれ出た

「驚くべき才能の登場に興奮が収まらない」

佐々木敦評論家

「これはちょっと相当に凄い小説である。力作と書いたが、まさに言葉に宿る「力」が尋常ではない

「作者は一歩も後ずさりをしようとはせず、逃げていない。こういうことはめったに出来ることではない」

「これは本物の小説である

しかも、作者は実は被災者ではないのだ。しかし、それでも彼女はこの小説を書いたのだし、書けたのだ。

田中和生評論家

(これまでの震災作品は)「震災が起きたという事実を『反映』しているだけで、本質的なところで表現しているとは言えなかった」

ついに2011年に起きた東日本大震災を『表現』する作品が登場したと言っていい

日比嘉高近代日本文学研究者

過酷現実対応せざるをえない未成熟自己の、その痛ましくも力強い格闘の記録であり、成長の物語である私は昼飯のパンをかじりながら読み、落涙したよ

ポスト震災文学を論じていく際には外せない作品として、今後広く長く参照されることになるでしょう。文学研究者として断言します」

 
ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん