はてなキーワード: リリィシュシュとは
以下ネタバレ含む。
自分は、学生の頃にリアルタイムで、エヴァ旧劇とかリリィシュシュとかヒミズとかを観ていた世代だ。
ああ言う救いの無い作品を観た時の、絶望感に浸る感覚が好きだった。
当時は商業主義丸だしのエンタメ作品なんて、クソ食らえだと思っていたし
そんなものを好むやつを、心の中で見下していたと思う。
さくらの唄も、ワールドイズマインも、人間失格も、ノルウェイの森も、絶望の世界も、レディオヘッドも、その頃に出会った。
自意識過剰で自己顕示欲の強い、典型的なサブカル被れの痛い学生だった。
年齢を重ねるごとに、そう言う選民思想みたいなものの痛さも知り
付き合っていた彼女の影響もあって、売れてるものには売れるだけの理由とか魅力がある。
って言う風に考えがシフトチェンジして、今はワンピースもミスチルも伊坂幸太郎も好き。みたいな
この作品は救いの無い中学生編(まさに現代版リリィシュシュのような)と
読後に、これは傑作だと思った。
そう思えたのは(ネットの評判を見ると割と蛇足とされる意見の多い)高校生編の展開があったからだ。
中学生編で終わらなくて良かったと心底思う。
登場人物が過去と決別して、普通の幸せを手にする過程は読んでいて心地良かったし
絶望だけで出来たような物語を、もう今の自分は求めていないのだと改めて思った。
誰かが不幸になる話なんてクソくらえで、どうせなら登場人物が幸せになって欲しい。
そう思うのは自分が歳を取ったからなのか、時代の流れがそうさせるのか。
今は、綾波がポカポカして、アスカが鳥に食われない時代なのだ。
救いなんていらねえよって思うんだろうか。
焼身自殺で終われよって思うんだろうか。
なんとなく、そんな事を考えた。