綿密な取材に基づいて描かれたことは間違いなく、作者の強い意志を感じる
そしてこれらが「なかったこと」にされつつある現代社会への警鐘…
この作品を受けて、小池都知事の「追悼文」送付拒否を糾弾する動きも生まれている
紛れもなく傑作だと思うが、二つの血が流れる自分には、なんとなく胸に引っかかるものがある
作中、朝鮮人(だけではないのかもしれない)が虫けらの如く殺される場面で、
なんなんだよ日本人、俺らを差別しやがって、デマに踊らされてよ、絶対に許せねえ
「日本人は最低な奴らだ!」
しかしその怒りは、この作品が持つメッセージの前にすぐかき消されてしまう
過去を恥じ入り、反省し、民族差別の撤廃を誓う、やさしく繊細な日本人
この漫画を読んで胸を痛める彼らを、友人たちを、どうして憎むことができるだろう?
あくまで最低なのは「かつての日本人」であり、現代を生きる彼らではないのだ
彼女が「暴言を吐いてしまった女性芸人に直接謝罪したい」旨をツイートすると
「謝ったら相手は許さざるを得ない、それはずるい」と非難され、さらに炎上していた
わたしたちは、朝鮮人への卑劣な行為を自ら明らかにして謝罪します けっして忘れません
それなら、自分はなにに腹を立てたらいいのか? 水に流せない自分が悪いのか?
やったのは「日本人」じゃなくて「関東人」な さす東