2024-08-01

[][]温泉シャーク

面白かった。

温泉シャークは令和の『シン・ゴジラであると言っても過言でないくらいに面白かった。個人的には『シン・ゴジラ』よりも好きだ。怪物の襲来による人類社会危機とその脅威の打破という点では『シン・ゴジラ』と同様だが、『温泉シャーク』はそれに加えてギャグ要素を併せ持つし、ストーリー展開も負けてはいない。『温泉シャーク』のストーリーは、往年のジャンプ漫画インフレバトルを彷彿させる展開となっており、心地よい高揚感をもたらしてくれた。

この『温泉シャーク』の面白さは、「温泉」と「サメ」の組み合わせの妙だろう。

作中の舞台熱海モデルとした暑海市という架空観光地であり、それゆえにサメ被害が深刻化しても観光を優先して配信者を集めてしまうのだ。YouTuber的なあるいはインスタグラマー的な配信者は配信画面や演出などにリアリティがあり、彼ら彼女らの振る舞いの傍若無人さが表現されている。それゆえに配信者がサメ被害になっても悲壮感は一切なく、ギャグとして存分に楽しむことができるのだ。そうした配信者たちが迫真の演技で命を落としていくのとサメのチープなCGの対比が「シリアスな笑い」を産むさまは、まさしくサメ映画醍醐味だろう。

サメ被害は増す一方で人類側もサメに対抗すべく武力を集結していくことになるが、戦闘機やら兵器やらの特撮のチープっぷりも味があってよい。そして、サメとの間でなにやら因縁がありそうな謎のマッチョ活躍していくが、このマッチョ存在がいい。マッチョサメとの対決におけるキーパーソンとなって、ストーリー展開のインフレ感を加速していくことになる。しかしながら、その具体的な戦い方をここで述べるのはネタバレになるのでやめておこう。それでも、とにかく面白かったとだけは伝えておく。その面白さのままにストーリーエンディングへと向かっていくのだ。

同時に上映していた『もしも徳川家康総理大臣になったら』とどちらを観ようか迷ったが、『温泉シャーク』を選んだことに後悔はない。

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