昨日、友達と「自分の地元をGoogleマップで案内する」という遊びをしていて、ふと思い出したこと。
小6の頃、帰宅したあと塾が始まるまで少し時間があって、近くの公園で時間を潰していた。
当時、既に携帯電話を持たされていて、ベンチに座って必死にドワンゴのメールしたら自動返信が返ってきてしりとりができるみたいなサービスで遊んでいた記憶がある。
不意に、ねえ、お願いがあるんやけど、と声かけられぱっと顔を上げると、
そう言ってその女性は5,000円札を手渡してきた。
かなり怪しかったが、その華奢な中年女性がいきなり襲ってくるようにも思えず、目の前の大金に目がくらんでしまった私は
「何を買ってきたらいいんですか?」と尋ねた。お釣りの大きさで決めようと思ったのだ。
「ビールわかるやろ?缶のやつ。あれ一本こうてきてほしいねん。」
「大丈夫、おばちゃんのおつかいや言うて、これ持っていってもいいで」
さすがに見ず知らずの子供に運転免許証を預けるなんておかしい、と思った。
おかしいとは思ったのだが、よくよくその女性を見るとかなり顔色が悪く、もしかすると自分のお使いを託そうとしているのかも?という気がしてきた。
免許証を預かるのは怖かったので、「とりあえず行ってみます」と行って、私は少し遠い酒屋に走った。
たまたま酒屋は配達中で空いていなかったが、その酒屋の前にビールの自販機があり、
私はよく祖父にそこに使いっ走りをさせられたので、そこで容易にビールを買えることを知っていた。
お釣りが発生しないことにかなりうろたえたが、おばさんの5,000円札を預かってきた以上手ぶらで帰ることもできず、迷った挙げ句
塾の行き帰りのバス代としてもらっていた500円でビールを一本と、具合が悪そうなおばさんのためにお茶を一本買って公園に戻った。
おばさんは私が元々座っていたベンチで待っていた。
「ホンマに買ってきてくれたん?優しいなあ」
と言われてはじめて、この人は5,000円を持ち逃げされるリスクを背負っていたのかと気付いた。
私は息を切らしながら
「自販機で買えたんですけど、5,000円札が使えへんから、自分の500円玉つかいました、あと、おばちゃん具合悪そうやから…」
と、事の顛末を説明してビールとお茶と、ポケットの中ですっかりしわくちゃになった5,000札を手渡した。
「えっ!そうなん……。ありがとう…」
おばさんはビールとお茶を受け取って、しばらくぼうぜんとした様子だったが、突然うつむいて顔を隠してしまった。
おばさんは泣いていたと思う。
しばらく待っていたが、「あの…塾行かなあかんくて…」と私が切り出すと、
「うん、ありがとうね、5,000円はぜんぶあげるから、なんか美味しいもん食べな」
とうつむいたまま言った。
1げと
おばちゃんはアルコール依存症で、家族から近隣一帯の酒屋に販売拒絶の通達が出てた かつ自販機の存在を知らなかった、とか?
これがしっくり来るなあ。 運転免許証渡してることと整合しないけど、通達は店長レベルの人だけで、レジ打ちには通達されてない可能性にかけたのかな。 自分で自販機で買わなかった...
その女性の、幸運な分岐になってたらいいな
おばちゃんは誰かと約束した「もう酒を買わない」を守りたかったけど、 自分に負けてしまったんじゃないかなと思った。
いいね
怪異だね。黄昏時にはときどきある。
その華奢な中年女性がいきなり襲ってくるようにも思えず 単なる思い込みです。 大人と子供だぞ。 女に対するバイアスが掛かってるぞ。
男だったら完全に同じ行動をしても変質者として通報されるだろう この女も変質者として通報しなければいけない
普通に良い話の哀愁あふれるバージョンじゃねぇか まったく増田のヤツらはとことんペーソスが嫌いだよな
増田ってたまに根がいい人が現れるよな なんでだろ はてなーとかブクマカとかはいい人に見られたがってるだけのカスの群れなのに
悪ぶってるだけの真面目クンしかいないからやで