2023-09-04

君に届けアニメ化おめでとう

前半風早の爽子に向ける切々とした純情やいとしげな表情、母性的な見守りは恋する少年ではなく恋する少女リアルなそれだった。だから爽やかだったんだと思う。読み手少女は通常自分が異性に向ける側であるときめき恋愛感情を爽やかイケメンキャラからぐいぐい向けられるため、リアリティバグりで風早にツボっていったのだろう。

いくらドリームを詰め込んでも一筋のリアリティがなければときめこうにもキャラ説得力がない。しかリアル男子高校生内面を注入したところで夢がない(女性作家にはそれ自体難易度が高く限界もある)。そこで代わりに女性恋愛感情リアリティを埋め込んだのがキャラクター風早成功要因なのだろう。読者の視点人物たるヒロイン爽子に向けられる感情リアリティを感じさせるトリックである

また、これは君届に限った話ではないが女から見た男の好ましいポイントである器の大きさ、コミュニティ内での統率力、行動力、如才のないコミュ力は備えさせたまま、女の感情を面倒がる、暴力性や冷酷さ、同性集団になった時悪ノリスイッチが入る等、苦手とされがちな特性は取り除かれ、またそのことが強調して描かれている。ドリームの為の脱臭も余念がない。

尚後半はくどいくら風早の性欲や独占欲がフィーチャーされ、全体的に暗い雰囲気になってしまった。しか風早が爽子以外の女キャラ絶妙に当たりがキツく、感じが悪くなった。さらに脇キャラのつまんねえサイドストリーもいちいち昭和くさい上に重苦しく、出産視力が下がったのかキャラの顔立ちもいかめしくなり、出産情緒バグったのかモノローグポエム説明が加速し、漫画全体から売りだった爽やかさが失われ失速。

  • 俺は風早パートどうでもよくて「もっと女子の友情成分を!」と思ってた。 他の人は知らんけど。女子の友情パートはジャンプっぽいもの

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