2022-12-04

Colaboと国のお金について

直接Colaboについて書くわけではないのですが、国からColaboへ至るまでのお金の流れがわかりにくいので、その整理のために書きます

東京都サイトに、「東京都若年被害女性支援事業」についてのページがあって、

東京都では、下記の民間団体事業の一部を委託し、東京都若年被害女性支援事業実施しています

一般社団法人 Colabo」

とある。これ、その要綱もそこに載っているのですが、そこにあるように事業主体は東京都なんですよね。東京都が行う事業の一部をColabo等の外部に委託している。行政では補助金委託とが割と混乱しがちなところがありますが、これについては委託です。行政が行う委託一般的なのは設計委託建築工事委託で、例えば道路建物設計図を作ってもらう委託、実際に作ってもらう委託がありますスタートの「これが欲しいなー」とゴールの「できあがった物」が行政のモノで、途中を「行政がやるより上手にやれる人」に委託する、というものです。

で、事業主体が東京都である東京都若年被害女性支援事業については、都民が望む内容を、途中を専門家委託したあと、成果物を受け取る、という形になります成果物としては要綱の事業内容にあるようなことが行われている状態、ということだと思います

これについて都の持ち出しでやっているかというとそうではなく、国民としても同じことを望んでいるので、国庫補助金事業誘導しています。この事業はそれに乗っているため、国庫補助金交付を受けているのだと思います

若年被害女性支援事業実施要綱

https://www.mhlw.go.jp/content/000967161.pdf

基本的には国と都の要綱の事業内容は一致していると思われ、故に都の事業補助金適格だろうと思います事業については↑のとおりですが、国から都への補助金交付については↓

児童虐待・DV対策総合支援事業国庫補助金交付要綱

https://kosodatehiroba.com/pdf/19box/2019gyakutaitaisaku.pdf

の3(2)エ(「モデル事業」ってついてるのは古い版だからなのかな?)に基づいて行われる。要は、他の厚労省一定範囲補助金と足並みを揃えた同じような方法申請するようになっている。他、国庫補助金の縛りとしては「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」があって、国の補助金全て同じ法律で縛られる。

都の目線では、これはあくま自分事業であって、国に補助金申請するものとなっている。国庫補助金をもらう、ということは、会計検査院会計検査を受ける可能性がある、ということになり、補助金を受けないで行う地方自治体単独事業会計検査院会計検査が入らない)よりも説明資料整備・保管などに格別の注意が求められる。

会計検査の内容としては、委託内容についても問われることがある。例えば、

Go To Eat キャンペーンに係る委託費の算定」

https://www.jbaudit.go.jp/img/report/summary03_tokutyou/fy03_tokutyou_08_01.jpg

会計検査では、「目立つ」事例が時間を割いてよく見られることが多く、コロナ交付金などは注目された。その点でも、モデル事業として始まったような事業場合は、一層会計検査に備えた準備が行われていると考えられる。

追記補助金委託の違いについてはこちらも参考になりそう↓

https://note.com/opp406/n/n25fbd0689591

  • 役所あるある 早く言いたい さて、今からリンクを貼りますが、1番上のみ自分が書いたもの。あとは別の方のものです。 ・Colaboと国のお金について https://anond.hatelabo.jp/20221204142704 ・...

  • Colaboについて書くわけではないのですが、 国→補助金→都道府県 都道府県→委託→民間団体 という形について。 まず、一般的に国は事業をあまりやらない。政策を作ったり、誘導...

    • まず、話題となったツイートについて。 https://twitter.com/ojimakohei/status/1603955048752746502 >> colaboの件。所管の福祉保健局としては、直ちに契約要件に抵触するものではないが、一部、不...

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