2022-08-05

改造が行われる背景

内閣改造は通常、新内閣発足後1年ほど経過したときに、国務大臣の相当数を一度に入れ替えないしその担当を替える(横滑りさせる)ことが多い。

内閣改造が行われる背景としては次の3点が挙げられる。

第一に、

内閣総理大臣国務大臣任免権を行使することにより、そのリーダーシップを維持拡大し、政権基盤強化を図るためである内閣総理大臣がより適当考える人材を登用し、あるいは適所に配置換えし、後継者重要ポスト処遇し、与党内のライバルを閣内に取り込んで反対行動を封じるなど、内閣行政遂行能力を向上させるとともに、人事によって自らの政治力を高めることを目的とする。

第二に、

閣僚が同じ人物のままではマスコミを通じて国民からマンネリ感を持たれて社会に閉塞感が漂っている場合は、内閣改造を表明することで、どの与党議員閣僚入りをするかなどをマスコミに予想させるなどして内閣への国民的注目を高めることで内閣刷新し、フレッシュ感覚国民アピールすることを目的とする。その結果、内閣改造すると、改造直後の内閣支持率が改造前より上昇する傾向がある。

第三に、

自由民主党長期政権下では内閣改造およびそれとあわせて行われる幹事長など党役員の交替は定期人事異動的な色彩が強く、慣習により漫然と行われてきた。ある程度当選回数を重ねた国会議員は、特に精通した政策分野などと関わりなく、とにかく大臣に任命されることを切望する、いわゆる大臣病にかかる。この大臣患者たちの不満に応えるため、自民党の各派閥は、改任の必要がないにも関わらず、組閣から1年ほど経過したあたりで大臣の顔触れを変えることを要求しはじめ、内閣総理大臣派閥の支持を得るためにこれを受け容れ、時機をみて改造を行うことが慣習となった。もともと替える必要性が低いため、適材を適所に配置するという気概は薄れ、派閥当選回数順に推薦した人物を漫然とはめ込む派閥順送り人事が横行した。このことはまた、大臣内閣官僚に対する指揮・管理機能形骸化し(「重要なことですので政府委員から答弁します」と国会発言した閣僚すらいた)、官僚機構政治に対する自立性が強いという状態をもたらしたともいえる。このような順送り人事に対する批判は強かった。

  • スマホ威圧の外相は再選するのだろうか... どうみても今ミサイル撃ってるあっちの人の可能性が強いように見える。 首相としてはいきなり反中に舵を切って抗争にならないよう、親中派...

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