ヤフーニュースで生理の貧困の記事を読んだ。どこかの学校が女子トイレにナプキンを置いたという話だった。
ヤフコメには、「月いくらもしないんだからお小遣いでやりくりすればいい」「スマホを持つのを諦めてそのお金を生理用品に回せばいい」というコメントが踊っていた。
私は父子家庭に育って、初潮のときは保健室でナプキンをもらって生理用のショーツを貸してもらった。父親に「生理用品を買うからお金をください」というのが恥ずかしくて、父が残業の日にくれる食事代の1000円で生理用品を買っていた。その後も継続的にお金がかかるのがわかっていたけれども、月500円のお小遣いだとナプキンと鎮痛剤を買うと終わってしまうので、父が残業の日の食事代をもらう度に積み立てていた。そういうわけで父が残業の日の私の食事は白飯に塩をかけたやつだった。当時、食材の買い物は私がしていたが、父が夕飯を作っていたので、父は冷蔵庫の中身を把握していた。私が料理をしなくていいように1000円渡しているのに、食材が減っていたら怪しまれると私は思っていたのだ。
ナプキンも、私はやたらに寝返りを打つので生理の時はもれないように夜用の大きいやつが必要だった。場合によっては紙オムツみたいなのを使っていた。これがげんなりするくらい高かった。それでも、手のひら代のボトルで600円くらいする女性用洗剤を買うよりは、なんぼかマシだった。そういうわけで不定期の1000円の積み立てでは間に合わず、時にはお小遣いに手をつけることもあった。本来、お小遣いは漫画を買ったり、友達とマクドナルドに行くのに使いたかったけど、生理は毎月容赦なくくるので、そういうのは諦めないといけなかった。我が家は別に貧しいわけではなかったが、それでも生理なんてなければいいのにといつも思っていた。
大学生になってからは仕送りをもらって一人暮らししていたので、ここでようやく生理用品をお小遣いではなく生活費から捻出できるようになった。すごくホッとしたし嬉しかった。毎月どうしたって発生する生理のための品物を、楽しみを削ってまで工面することがとても嫌だった。生理は自分でありなし、重い軽い、期間を選択できないんだから、きちんとそれを意識したお金の使い方をするべきというのは分かる。でも、そのためにスマホも持つな、お小遣いは全部そこに充てろといわれると、涙が出てしまう。生理が来るか来ないかは選べないのに、男性ならこんな悩みありえないのに、女性に生まれて生理があるばかりに、多くのことを諦めろというのは、流石に横暴ではないか。
そういうわけで、私は学校に生理用品を置いておくことは諸手をあげて賛成だし、そのための寄付も少額だがしている。昔の私みたいに、友達に嘘をついて遊びに行くのを断り、そのお金でナプキンを買うお金を工面する子が減って欲しいと思っている。男性については、同じように寄付して欲しいとまでは言わないが、女性がそうやって取り組みをしている時に、「スマホを持っているのに生理用品はタダにしろというのは、お金の使い方がおかしい」「小遣いでどうにかしたら?」などと言うのを控えてもらえると嬉しい。あなた方はナプキン代のためにスマホを諦めることも、お小遣いを積み立てて鎮痛剤を購入することもないのだから。