小説ならいいんだよ、うまく考えた話をうまい文章で書いてさ、みんなイイネと思ってそれでハッピー、いいことだ
実話を過剰に装飾したり技巧を凝らしたりして伝えてこないで欲しいんですよね、あるいはそもそも実話なんかじゃないのかもしれんけど、ならそうとわかるようにしてほしい、実話っぽさを出しつつうまい文章を書かないでほしい
そこここに強調だったりネットミームなんかを埋め込んで共感性を高めた文体とか、漢字を適度にひらきつつ所々に文学的表現を入れた文体とか、そういう感じのさ、ウケるだろうなって感じのアレだよ
違うだろうがよ、人生で本当にでかい出来事に出くわした時ってそんな大したこと思わねえよお
ホーン…とそのときは思ってたんだけど後になって考えると結構デカかったな、みたいな、そういう感じじゃん 身体に光の粒子が溶け込んで…とか普段思うか? 思うってんならいいけどさあ
現実に起きたことを現実の人間が語る、その語り口って淡々とするもんなんじゃないのかよ
そうでもねえのかなあ 俺の感受性がショボいだけか?
俺一年強片思いした子に夜道で告白してOKもらって、抱きついていいですかなんて聞いて、暗いところでちょっとハグしたことあるけどさ、文学的な言葉なんて一切頭をよぎんなかったぜ 嬉しい、ウオー、長すぎかな、人通ったら恥ずかしいな こんな感じの断片的なことしか思わなかった
胸をあたたかな光が満たすようなきもちにはならねえし、心臓が爆発しそうなくらいに早鐘を打っていて、帰りの歩道橋で思わず走り出したりもしなかった スマホでTwitterを無駄にスクロールしたりはしたかもしれないけど、そんなもんそんなもん
とにかく、劇的だったり文学的だったりする文章にアレルギーがあるんだよ
こうさ、ドキュメンタリーですげーカッコいい台詞喋ったりメチャクチャお洒落なカメラアングル使ったりして欲しくないじゃないすか
詰まりながら喋ってさ、カメラは邪魔にならないところに置いたのがなんとなくわかるアングル、そういうのがいいんだ俺は
実話の力を借りてえなら実話らしく書け
半端なんだよ!
うんうん、そうすよ。 だから小説やりてえならガチで評価するけどね、というスタイルで淡々と指摘してる。 できるだけ嫌味は言わない方向で。 実話ならもっとあっさりサバサバする...
よくわかる。 そういうのが好きな層は多数派な気がする。