今の転売の問題は、コンサートチケット(要するにダフ屋問題)ではなくて、衛生用マスクの問題になってるけど、高橋洋一みたいに「テンバイヤーは経済学的には全く正しい商行為」って言っていた奴は「マスクの市場価値が新型肺炎の流行(の危惧)で急激に上昇したのであるから、依然として安いメーカー販売価との差益を求めるテンバイヤーの行動は経済的に全く正しく、批判するのはおかしい」ってコメントを出すんだよね?
転売ヤーって、基本的には店舗を構えてある程度決まったお客さんと取引する商人にはできないやり方なんだよね。この商売は「弱い客の足元を見てギリギリまで高くふっかけて自分だけが儲ける」商売だから、客の強い恨みを必然的に買うことになり、暴動が起これば真っ先に放火される店になるし、客の立場がある程度強くて店を選べる状況(つまり普通の状況)では「絶対にあの店だけでは買いたくない」って心理が多数の客に刻み込まれてるから、店舗が維持できない。
だから、あれは無店舗の事実上匿名の人間が、不特定多数の客に対して継続性を無視して行う商売にしかならないんだけど、そういうのって昔はダフ屋くらいしか成り立たなかったのが、今はネットの普及で容易にアルバイト感覚でできる様になったから、ああ言う商売が生み出す害悪である「取引客の恨み」が野放図に増大していって社会問題化してる。
あくまで娯楽のチケットであればふっかけられた恨みもそう大きくないけれど、健康や生命に関わるものとなるとそうは行かないわけだが、商売の本質はどちらも一緒で、高橋洋一はどちらも「経済学的に全く正しい」と言わざるを得ないはずなんだよな。
まぁ、転売ヤーを「ただの裁定取引でしょ」って言って全く問題視しない経済学者は高橋だけじゃないと言うか、もしかするとほとんどがそうなのかも知れないんだけどね。