1月も半ばとなりましたが、年末年始どう過ごしましたか。今度の休みはいつもと違っていたのでお知らせします。
私は知ってのとおり田舎を捨てた訳ではありません。帰るのがただなんとなく気怠いというか、理由がないというだけです。田舎独特の結びつきが怖かったのかもしれません。
今回の帰省のついでに散髪に行こうと思い立ったのは見るテレビがないのと読む本が無くなったからです。
行った散髪屋さんは私が小学生まで通っていた散髪屋さんでした。あれから15年も行っていません。もちろん予約なんかしていません。そもそも予約なんか受け付けてくれるのでしょうか。夫婦で営業している散髪屋さんです。
次の方どうぞと通され要望を聞かれ、天気の話、仕事の話と定番の会話が始まります。私が小学生の時通っていた男と分かるのでしょうか。分からなくても問題はありません。散髪出来ればいいのです。5分位経ったでしょうか夫婦は部屋の隅でボソボソと会話を始めました。そして奥さんの方が私に近寄りこう切り出しました。ひょっとしたら賢太君じゃないかと。
さすが客商売、なのか単に私の顔が変わっていないだけなのか。
「ちょうど美花も帰ってきているの。会っていってったら。」
娘さんは私のひとつ年下で、中学まで一緒だった。本が好きなのは同じだったが特別一緒に遊んだりする仲ではなかった。小学校の時一緒に図書委員をしたことはあった。
私の場合、本が好きだから図書委員という訳ではなく、ただ単に何か委員をしなければいけない雰囲気の中で、私の中の消去法で決まったものだ。それが美花さんと話すきっかけとなった。
美花さんは高学年ともなると考え方が独特というか、グループに群れないというか、友達はいるけど自分の考えを常に持っている人だった。なぜそんな話題になったのかわからないが、図書室でふと大相撲の話になったとき美花さんは座布団を投げる大人は嫌いと言った。興奮して場内アナウンスを平気で無視する大人は怖いとも。
私はこの言葉が胸に妙に残った。
美花さんとなんやかんや散髪屋さんの裏で少し話をしてバス停まで歩く事になった。こちらは気恥ずかしいだけだ。近況報告が過ぎていく。美花さんは大きい工場で検査の仕事をしているらしい。美花さんは相変わらず美しかった。
小学校前を通りかかった。美花さんはふと「賢太君の座右の銘は何?」と聞いてきた。考えたことも無い。私が答えに困っていると美花さんが「私はね。自分自身が人生の監督かな、脚本も演出も俳優も全部自分自身。そう思わない?毎年図書委員になったのも自分の意志」「毎年って?」「まだ分からないの?変なの!」
田舎は嫌いではないけど独特の結びつきが怖かった私はバス停への道を逸れ人通りの少ない小道に行く方向を変えた。冷たい風が赤い頬に心地よかった。
これは簡単ですね。みなさんも分かったと思います。 ですます調かである調のどっちかで統一しやがれこの激イタ高校生 いますぐ回線切って勉強しなさい。
ぽ。