これを書くべきかどうか私は悶々と悩んでいたし、だからこそ匿名での発表になってしまった。意気地無しですまん。
幼少から私は薄ぼんやりと自分は特別な何かになるんだと信じて疑わない子どもだったように思う。いや、子どもは普通そういう夢想に耽るものなのかもしれないね。
まあ、そんなどこにでもいる、世界で一人だけの特別な子どもだった。
問題はそれからだった。その「特別な自分」妄想は20を越えてもなお続いていた。
「私は絶対に大成する」と漠然と思いながら一日中YouTubeを見て暮らす大学生、それが私だった。
そんな自分に嫌気がさしながらも、変わる努力のめんどくささから目を背け、怠惰に時を貪った。
結局かつての自分が思い描いた20歳の自分の要素は5%くらいしかなくて、夜な夜な泣きながらストゼロロング缶を飲んで東海オンエアを見た。
東海オンエアはいい、最高にくだらなくて最高に面白い。時間を忘れ、今の自分の情けなさから逃れられる。
そして東海オンエアをずっとずっとずっと見た。見ていたらふと「あ、私って東海オンエアにはなれないんだな」と気が付いた。
気が付いた瞬間に目眩がして「酒飲みすぎたかなー」とか思いながら眠った。
そんできったねぇ自分の部屋で目を覚まして思った。「女買おう」と。
ちょっと前にレズ風俗レポでバズった漫画家がいることは、ここにたどり着いている人ならご存知だろう。私はあれを読んで以来ずっと女を買ってみたかったことを思い出した。
「レズ風俗……は、やり尽くされてるしなぁ」別にレポを書いて投稿する気などサラサラないのにそんなことを思った。
普段は面倒な身支度が何故かスルスルと出来て、やりたいことをやるとはこういうことかと思いながら家を出た。
そして女を買った。ハピホテに詳細が載ってないようなしょっぼいラブホで、初対面のおっぱいを揉んで、初対面のおまんこを舐めた。
ラブホ代の倍くらいの値段の安い女だった。
お店に勤めている女じゃなくて、その辺に立っている女だったから選んだ。そういうリスクを冒したほうが楽しそうな気がした。
リスクは楽しいが捕まりたくはないし、とりあえず身分証だけ見せてもらった。私の一つ歳上の女だった。
顔はイマイチ覚えていない。多分ブスではなかったと思う、ブスのおまんことか舐めたくないし。
おっぱいはおっきくて、おまんこはピンク色だった。ほとんどそれしか覚えていない。
行為が終わって一緒にシャワーを浴びたら、そこでまた触り合いっこをした。
気持ちよくはあったはずだが記憶にはない。というか全体に記憶が朧気なのだ。だからレポを書くつもりもなかった。
その後はホテル近くのコンビニで買ったストゼロを二人で飲んで、女に金を渡して一緒にホテルを出た。「結局女なんか買ってもなんにも変わんねぇじゃん」と思った。
ホテルから駅まで一緒に歩いた。何となく雑談をしながら歩いた。その女は大学生らしかった。「私と同じだね」とか言った気がする。
会話にも疲れ、東海オンエアを見ようとYouTubeを開いた。
「え、東海オンエア好きなんですか?!」急にボリュームの上がった声は楽しそうで、ああこの女も普通に生きてる人間なんだなと思った。
思ったらなんか笑えた。
私もこの女も変わんねぇなと思った。
結局何者にもなれないまま生きていくのかと、変に悲しくなりながらバイバイと改札前で手を振った。
うんち
うんち
この程度の話を書くべきか悩むの意味がわからない。