2019-11-23

性的消費とは何なのか

フェミニズムLGBT文脈性的という言葉を使うなら「性」ということばを生物学的な意味だけに縮減することは避けねばならないし、身体的特徴のみならず、あらゆる場所に「性」が見出されるはずである。他方で「消費」という仕方を非難するのなら、そもそも消費されない表象など存在するのかという問題が残る。

したがって、「性的消費」なる概念批判的に用いられるとき、そこには客観的な「性」と、表象として「消費」され得ない実在が想定されていることになる。

ところで、このような実在論的な思考はまさしくプラトン以来の男性中心主義的な哲学思想の延長であって、フェミニズムや「性的マイノリティ依拠する理論として悪手なのではないだろうか。

追記

まり何が言いたかたかと言えば、フェミニズム理論的骨子はそもそも社会学以前にその大部分を哲学依拠しているという事実であり、またそうである以上、哲学史的な文脈理解しないままに「性的消費」というタームを無闇に振り回すことは本人が意図する以上の射程を含み得るということ。

哲学における運動とはつまり反省であり、思考の射程を掘り下げていくような運動であるのだが、その運動には自分という主体すらも揺るがされるような危険が伴う。しかし、社会学哲学の成果の上澄みだけを掠め取ってこの運動をたんなる気持ち運動矮小化してしまった。そのような運動においてはもはや危険反省は伴わず、ただ自分肯定してくれるような物語けが空虚なタームとして流通する。

フェミニズムから社会学へ、ではなく、ちゃん哲学へ遡るひとたちが増えればより建設的な議論ができるようになると思う。

  • 個人的には性的消費という言葉よりも「身体的消費」という言葉の方がしっくりくる。 男性側から見た女性の身体の魅力的な個所を、モノとして消費する、というのがわかりやすい。 そ...

    • 身体的消費というならそもそもbody(英)あるいはcorps(仏)は物体、つまりモノでもあるわけで、尚更モノ化だとか消費だとかいう概念を取ってつけて批判する意味がわからなくなる。...

  • "性的消費"の正体 https://anond.hatelabo.jp/20191023170349 「女が認めていないのに、勝手に満足している」 これが"性的消費"なんじゃないのか?

    • 経済的消費についても同じことが言えるよね。 ブスが高スペック男に好意を抱いていること自体に対する嫌悪感とか。

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