ファンコミュニティで盛り上がったネタを原作側が反映してしまうこと(所謂『二次創作の逆輸入』)に関して、昔は結構面白がっていた。……というか、明らかなキャラヘイトに繋がるものでなければ、今でも結構全然大丈夫だったりする。特有の内輪感が駄目とか声の大きいファンの意見だけ優先されてしまうとか、マイナス面が非常に大きいことは認識した上で、それでも結構面白いと思ってしまう部分がある。
また『本来脇役の小悪党で終わるはずだったがファンに妙な人気が出てしまい(あるいはキャラデザが原作者にとって描きやすかったとか特定スタッフに気に入られたとかでも可)、結局ずるずる退場タイミングを逃してラスボス前座ポジションぐらいまで出世してしまった』系のキャラクターとかも好きだ。
本来の役割を全うせず外部的要因によって歪められてしまったという点で、人によってはかなり好き嫌いが分かれやすいタイプのキャラになりがちなのも知っている。だけれど妙に入れ込んでしまったり、よくぞここまで生き延びたなあと感慨をおぼえてしまいがちだ。
物語の展開上の要請とは全く関係ないメタ的、外部的な都合で、物語の中のキャラクターがその物語の中では絶対あり得なかった人物像を獲得したり、本来進むはずもなかった生き様を全うしたりする様子って、勿論そのキャラクターが歪められてしまったということでもあるのだけれど、同時にキャラクターが『キャラクター』の枠から外れて生々しく現実世界に立ち上がってきた感触が個人的にはあって、その感触自体は結構好みだったりする。
キャラが原作側の制御を離れた!と気が付いた瞬間、ふと何とも言えないカタルシス、面白さを感じることがあるというか。
自分自身TRPGで『自キャラ』を作って遊ぶときも、キャラクターシートに自分が記載した設定に沿ってその役割を全うしきるより、ダイスの転がり具合やGM側のシナリオ展開の都合で勝手にどんどん想定していなかった設定を付加されて最終的にキャラクターシートが全く見おぼえのないものになってしまう方が達成感を覚えるタイプなので、視点の違いというものはあるかもしれない。