2019-05-21

夢見りあむはボイスを得て、夢を失う

夢見りあむ、最終順位3位。

これを目にした時「オタクちょろいな~w次はもっと応援して1位にしてよwww」みたいな調子に乗ったコメントをすると思っていた。

しかし、彼女台詞はまったく違った。

「ぼく頑張ったか努力なんてムダムダの無駄じゃん!アイドルってなんなんだよぅ」

さすがに驚いた。

夢見りあむはこんな子だったのか。

だとしたら、彼女はあまりに可哀そうだと思った。

彼女はボイスを得る代わりに、2つ大きなものを失うのだ。

・「努力が報われる世界」という理想

アイドルってのは尊くないといけないんだよ!?

ライト振ってるあいだは、何者でもない自分を忘れられたし。誇れることがなんにもない自分を忘れられたもん……。でも、そんなぼくがステージに立ったら、申し訳なさすぎだし!」

いずれも彼女台詞である

アイドルオタクである彼女は、アイドル世界にある種の理想を見ていた。

普段我々がいる薄汚れた世界とは違って、尊くキラキラしたアイドル世界

そこには「アイドル努力家で、アイドル界は努力が報われる世界」という理想も少しはまじっていたのではないか

ゆえに彼女総選挙を受けての発言をもう少し噛み砕くなら、こんな感じではないか

「ぼく頑張ったか?(何もしてないぼくが、滅茶苦茶努力してきた子たちより上位に入れてしまうなら)努力なんてムダムダの無駄じゃん!(アイドル努力が報われる世界じゃないの?)アイドルってなんなんだよぅ」

結果として彼女は、自らの手で「真摯努力が報われる世界」という理想破壊してしまった。

自分があっさり上位に入ったことで、アイドル世界は尊くも、素晴らしくもないものだと思い知ってしまったのだ。

話題性という「魔法」は一夜限り

彼女の3位入賞は、ある重要示唆を与えてくれる。

努力よりも、過去の積み重ねよりも、話題性優越するということだ。

勿論最近総選挙はずっとその傾向があったが、彼女はそれを露骨可視化してしまった。

しか来年度以降、彼女は自らの手で劣位を証明してしまった「努力」を武器に戦わなければいけない。

話題性」という武器を十全に使うことができるのは、今だけだからだ。

今回の総選挙でボイスを獲得したことにより、彼女の声を担当する声優が現れる。

それに伴い、以前ほど過激な弄りがしづらい風潮になることは想像に難くない。アイマス界隈は息苦しいところなのだ

目新しさもやはり日ごとに薄れ、今年の終わり頃にはすっかり「アイマスファミリー」の一員になっているだろう。

過激炎上と目新しさという武器を失った彼女は、ただのアイドルとして、努力を積み重ねて戦わなければならない。

しかし、どれだけ努力しても、話題性には叶わないことは自らが証明してしまった。

彼女がこの先努力すればするほど、過去自分嘲笑われるのだ。

一体彼女は何をモチベーションにして、これからアイドル活動を続けていくのだろうか?

理想を自らの手で砕き、しるべを失った彼女が、それでも前向きなモチベ―ションを見つけられたなら、私は心の底から応援したいと思う。

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