私が案山子と飲むようになったきっかけは、大学の授業で絶対に落とさない授業というのを2人して落ちてしまったからで、次に落とすと留年決定ということで、自然と2人して一緒に勉強しはじめたことによる。
それ気以来、私たちは半年に一度くらいのペースでいっしょに飲んでいた。
卒業してから、私は地方の公務員に就職したので主に人間関係や給料の低さに愚痴っている。
一方、案山子の方は、地元の畑で案山子を案山子と思わないカラスについて愚痴っていた。らカラスは頭がいいので、よっぽど上手くやらないとただの案山子だと舐められて畑を荒らされるそうである。
私たちはカラスについて1時間ほど喋っていた。あいつらは、1度は案山子に驚いても、2度目にはもう案山子を舐めきって田畑を荒らすそうである。そこで、案山子がどういう対策を取るかというと、カラスにこう話しかけるそうである。
「.あなたたちカラスは、畑を荒らすことか仕事だと思い込んでいらようだが、それは違う。あなたたたちは本来は気高くて気位の高い種族なのだ。鷹と争い、鳶を追い、日本中の畑を自分たちの領地とし、さらには案山子を監視者として尊重し、そして支配者として認めてもらったのだ?害虫の捕食者として、畑の保護者として上手くやってきたのだ。それが、どうだ、今のていたらくは。今のあなた達は鷹と闘ったことがあるか?他の鳥を寄せ付けない強さを持っているか?闘いなさい。」.
的なことを言って、カラスを困らせるのだ。
しかし不思議なもので、カラスには鷹と闘った歴史などないのに、実際に自分たちのなわばりから鷹を追い出すそうである。
言うなれば、畑に立っているだけで、鳥やその他の動物を支配するようなものではないか。
ということで私は今案山子になっているのだが、私が私だったころよりは、いまのかかしのほうが気持ちが良い、というのが正直な感想である。
皆さんも案山子になってみたらどうであろうか。