2018-12-05

あの日AV女優

10年前、俺がまだ未成年エロガキだった頃、お世話になっていたAV女優がいた。

出逢いは動画サイトでの違法視聴。元は数十分のAVを短く切り分けた断片的な動画タイトル英語女優名前も書かれておらず、誰なのか全然からなかった。

清純そうな、少し悪く言うと垢抜けていないルックスとは裏腹に、白目を剥いて大量の潮を噴くギャップが一物に響いた。

もっとこの女優動画を知りたい。そう思いながらも当時は手掛かりは何一つ得られなかった。

状況が変わったのは、成人になってAVを購入するようになった数年前のこと。ふとあの女優のことが気になった。久しぶりの違法視聴に罪悪感を抱きながら動画を見てみると、インタビューパートのところで男優が微かに「○○ちゃん」と呟いていることに気がついた。当時の俺はエロガキすぎてインタビューをまともに見ていなかったのだろう。

下の名前が分かったら話は早い。「○○ 潮吹き 白目」と幾つかの特徴的なワード検索にかけると、そのAV女優動画配信サイトがすぐに見つかった。

動画を購入したのは言うまでもない。

調べてみると、最後アナル浣腸モノや裏ビデオに出演して、結局2年も経たないうちに引退していたことが判明した。出演本数もトータルで10本程度、人気もいまいちであまり売れなかったのかもしれない。

数年前はそこまで調べたところで満足して、それ以上掘り下げることはなかった。状況がさらに変わったのはつい先日のこと。

彼女動画で慰めようとした俺はふと考えた。10年前のAV愛好家は彼女のことをどう思っていたのだろうか。名前でさえも把握していなかった当時の俺には知る由もない。

ここまで考えが至ると一物は萎えしまう。仕方がないので、また掘り下げることにした。今度は女優名前が分かっているので調べるのは簡単だろう、そう高を括っていた。

どうも有益情報があまり出てこない。彼女が当時書き込んでいたブログは既に閉鎖されていて読むことができない。個人の感想を述べたブログを探してみたものの、マイナーAV女優名前でさえもランダムに引っ張ってくるキュレーションサイトばかり。

どうしたものか。頭を悩ませる。検索した結果出てきた、言葉のサラダボウル状態のどうしようもないキュレーションサイトに目を遣ると「掲示板」の文字があった。

閃いた。某大手匿名掲示板ログを調べれば、彼女スレッドが出てくるかもしれない。普段匿名掲示板ほとんど利用しない俺にとっては完全に盲点だった。

試みは成功した。Part4で途切れた、彼女名前を冠したスレッド。当時の空気がそのまま詰まっていた。

貪るように読み進める。当時のAV愛好家達も潮吹きや白目の魅力を存分に語っていた。削除されて完全になくなっていた彼女ブログの一節も読むことができた。使われている顔文字が懐かしかった。

気がつけばすっかり日付が変わっていた。

彼女オカズにするという当初の目的を忘れたまま、妙な満足感を抱いた俺は眠りについた。

10年越しに、やっと彼女出会えた。

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