※キズナアイの公式設定が無性と言及されていることはここでは脇に置いておく。気に入らない方は「女性型」と適宜置き換えてほしい。
①は個人的に許容範囲内ではないかと思っているが、感覚が麻痺しているだけかもしれない。これは今回のNHKキズナアイ起用に問題を感じている人の間ですら意見が別れていたように思う。問題は②である。
②のロールモデルの問題については、確かに問題だと思う。今回の件以外でも同種の構造を見つけてはモヤッとしたものを抱えていたのは確かだ。キズナアイをそのキャラクター設定に沿って扱ってもなお、このロールモデルから解放することはできたと考える。考えるのだが、みんな本当に常日頃真面目にそれ考えているのですかと思ってしまうのである。
たとえば荻上チキ氏のセッション22という番組でこの問題に触れたそうである。聴けていないので恐縮だが、この件についてジェンダーロールの問題を主に扱い、自分の番組が同じ構造であることにも触れたそうである。立派な態度であると思う。
※インターネットでは「自己弁護に終始した」と書かれているが、聴けていないのでその内容がどのようになっているかわからない。触れているだけとても偉いと思う。
ところでこの番組にはわりと多くのフェミニストの学者がゲストに呼ばれていたように思うのだが、チキ氏が自己言及する前にこの構造を指摘していた人はいたのだろうか。個人的には観測できていない。
そのようなわけで、今回の件が「萌え」をフックとしてジェンダーロールについて啓蒙するための生贄にされてしまったように見えてしまってモヤモヤするのである。もちろん日本に性差別がないなどとは口が裂けても言うつもりはないのであるが。
だからこうなってしまったからには、この問題に噛んでしまった皆さん(もちろんオタクも含むよ)には常日頃からこの問題について考え自分の立場に近いからといって妥協せずに問題視していってほしいのである。決して「萌え」が焼かれただけになってほしくない。