「フリースタイルダンジョン」というのを最近知った。
「何をいまさら」と思われるかも知れないし、現にオレも取り立てて話にすることじゃないと思っていた。まぁ、そんなうわついた言葉を作ってるあたりで、初心者が目立とうとして新ジャンルみたいなのを作ってるだけだと思うわな。
よく聞いてみると、初心者じゃない、十分に経験を積んだ熟練者がソロでモンスターと渡り合うんだ、と聞かされて、またたびびびのいた。初心者が戦うフリ(スタイル)を自慢してSNSヴァエする写メをとるやつじゃないのか。
なんだそれ、そんなの許可するギルドがあるのか?オレんとこはそんなの認めてねぇぞ(長期戦に向かない職業の集まりというのもあるが)
しかしまぁ、そもそもダンジョンの入り方に決まりなんてないしな。入り方はいくらあってもいいはずだ。入口はひとつだけどな。
実際、それをできるやつが、それなりにいるんだろう。こうして話題になってるくらいだからな。今後もますます広まっていくに違いない。いつの間にかびっくりするほど世の中が進んでいることは、ままある。これもそれだ。
「フリースタイルでダンジョンって、そんな装備で大丈夫か. 富士山にスニーカーやヒールで来るバカと同じじゃないのか.」など批判する奴もいるが、そいつもオレ同様に、「にわかがバカやってるだけ」だと思っているんだろう。一昔前なら自撮り写真がTogetterで炎上する事案だったろうが、時代は進んでいる。
オレもこの道で経験を積んできた部類だからな、熟練者と言われてもいいレベルだと自負してる。
これまでは未踏のダンジョンを暴き、そこに隠された真相や物語を明らかにして(それと幾ばくかの財宝を手にして)、自分の名を上げることばかり考えてきたが、フリースタイルという、自らのパフォーマンスで名を上げるのもアリなんじゃねぇかと思うようになってきている。
とりあえず、ギルドの転籍を見据えて情報収集からしてみようと思う。
転職も必要となるとちょっと考えものだが、ソロでダンジョンに挑む職業には少なからず関心がある。そんな職業いままで聞いたこと無いからな。
ギルドだけでなく、パーティからも抜けることになるだろう。でも、うちのは基本ドライなやつらだし、元々個人が成り上がるためのステップとして作られたパーティだ。あっさり認めてくれるだろう。オレの代わりを見つけるのはちょっと難しいかもな。
ともかく、人生は一度きり。「信じた道には頭から飛び込め」という、職訓のニンジャマスターから受けた教えに従い、今までやってきたんだ。それからもそうするさ。