かつて、はてなスターが導入されたのはネガティブコメント問題の対策のためだった。
ネガティブに覆い尽くされた世界から、見えない小さな好意をすくい取り、それを可視化していこう。
そう、はてなスターは評価システムではなく「好意の表明」システムだった。
それが大喜利の座布団代わりにされるようになったのはいつからだろうか。
紛れもなく「はてなスターを人気コメントの指標に利用するようになってから」だ。
はてな匿名ダイアリーの毒にも薬にもならない一行記事に、100も200もブクマが集まる異常事態が長く続いている。
ユーザーたちは「はてブなど掲示板にすぎない」「スターを集めるためのゲームだ」と嘯いている。
明らかにソーシャルブックマークサービスの本義から逸脱している。
はてなは何を考えているのだろうか。
「ユーザーが運営者の意図通りに利用するとは限らない」などと言って逃げてはならない。
運営者には、サービスが当初のコンセプトどおりに動くよう、ユーザーを導く義務がある。
でなければ、「はてなブックマークは大喜利サービスになりました」と表明してコンセプトを変えるかだ。
一方で、そもそもはてなスターによるコメントフィルタリングはまったく上手く機能していない。
なぜか?
いまはてなで、いやネット全体で起きているのは、もはやポジティブかネガティブかで区分けできるような単純な問題ではないからだ。
「立民党は素晴らしい」という実にポジティブなコメントが、自民党支持者の反発を招くのが現在のインターネットなのだ。
誰かを助けるための「政治的に正しい」コメントが、別の誰かにとっては「ポリコレ棒」と呼ばれる凶器になっているのだ。
ファーストビューで人気コメントしか見せないことも事態の悪化に拍車をかけている。
そのたった数十人程度の同意しか得ていない「立民党は素晴らしい」というコメントが、「はてなユーザーの総意」として受け止められるからだ。
実際以上に党派性を際立たせ、集団の対立を煽ることになっている。
当初に期待された「好意の表明」システムが形骸化し、次に期待されたコメントのフィルタリング機能すら失い、クソ記事をホッテントリに送り込むための機能に堕しているのが、現在のはてなスターだ。
このような事態になるまで何の対策もせず、むしろ状況の悪化を促進するような機能変更をとってきたはてなを、私は強く批判する。
見せ方を工夫したいのなら、一部の意見を抜き出すのではなく、さまざまな意見を一覧できる方向へ工夫してくれ。
そして以前のように、同じサイトから同時にホッテントリ入りする記事数を制限する、それをせめて増田だけにでも適用すべきだ。
よろしく頼む。
キチョハナカンシャ