震災があるたびに千羽鶴の話が話題に上がるが、私も貰ったことがある。
それは、中学生の頃、病気で学校へ行けない日々が続き、担任の先生が主導の元、
30人程いるクラスメート全員が一人一枚折って、それを千羽鶴の様に糸で繋ぎ垂らした物を貰った。
こう書くと「なんだ、いいクラスメートじゃないか」と思うかも知れないが、実情はそうではない。
実際の所、私は同じクラスの者にイジメを受け、授業にも付いていけず色々あって精神を病んだ。
子供向けの精神科にも通院し、薬なども試していたが、あまり効果は無く、
精神からくる肉体的病気も出てきて学校にいるのがしんどくなって、結果的に学校へ行かなくなってしまった。
そういう過程もあってか、千羽鶴を貰ってもいい気分ではなかった。
いや、千羽鶴だけを貰うだけなら気分を害する程度ですんだ。
問題は、その千羽鶴一枚一枚に折った者の名前とメッセージが書いてあった。
私はあまり人と交流を持つタイプではなかったので、友達と呼べる人は1~2人程度しかいなかった。(別に友達の人数には不満は無い。)
それ故、クラスメートの大半は自分とロクに会話すら交わしてない、下手したら挨拶すらした事ない人が多い。
そういう人たちのメッセージは正直、半強制的に書かされた人が多いと思うし、
逆の立場で考えると同級生とはいえ、まともに言葉すら交わしたこと無い相手なんて正直無関心もいい所だと思う。
中には本当に心配してくれた者もいると思うが、書く気もないのに書かされたという部分においては、とても申し訳なくなって罪悪感が増した。
あとは、経験ある人も一定数いると思われるが、別にコッチが何かしたわけでもないが、
(落した消しゴムを拾ったりとか、自分の席の前後にいてプリントを渡そうとする時などに)
自分の事を物凄く嫌な顔をして拒否する女子が「早く元気になってね」とか書いてあって「嘘をつけ」と思った。
ましてや自分が病む元凶の一端でもあるイジめっ子が「早く元気な顔見せろよ!」的な文章書いてあるのを見た時は心が憎悪で満たされた。
そういう経験もあってか、千羽鶴という文化はどういう状況であってもあまり好きではない。
担任も良かれと思ってやったのだろう。そこに関しては別に怒ってもいないし恨んでもいない。ただ悲しいだけだった。
アレは、やった人がいい事をした気持ちで満たされる一種の自慰行為であって、渡された人は、ありがた迷惑でしかないのであろう。