アマゾンプライムで平成ライダーの原点にして頂点と賞賛されるクウガを一気見したのだが、よく出来ているのだが、なんだか素直に受け入れがたい作風だった。
仮面ライダークウガを大雑把に説明すると、古代のベルトの力でクウガに変身する主人公がグロンギという怪人たちを倒す物語である。
このグロンギというのがゲームで人を殺す極悪非道の怪人なのだが、どうもモチーフは放映当時問題になっていた少年犯罪をモチーフにしていると感じられる。
ゲーム感覚で人を殺すのもそうだし、現代の若者をモデルにしたような服装や喋り方のキャラクターもいるし、ラスボスは少年の姿をしている。
しかし彼らを「何を考えてるかわからない怪人」「ゲーム感覚で人殺しをする化物」として毎回クウガに爆殺させる描写は、少年犯罪をテーマにするには短絡的すぎないか?と思ってしまう。
現実には少年法によって裁かれない少年たちがいる。そんな彼らに鉄槌を下す存在としての仮面ライダー。死刑が出来ないなら私刑にすればいいと言う思想なのだろうか?
とはいえ、劇中では「グロンギを倒す主人公も、そのことに苦悩を抱いている」という描写がされるが、
これでは「体罰をする方も苦しいんだから体罰を受け入れろ」という理不尽な理屈と一緒ではないか。
それに加え、いかにも製作者の「最近の若者は」という思想をキャラに代弁させたような箇所も見受けられ、正直現代の感性では受け入れられないだろうなという事もあった。