24時間テレビに始まり、笑ってコラえて、ケンミンSHOW、行列、さんま御殿等々……。
日テレ好きな家族がテレビのチャンネル選択権を有している関係で、嫌でも目にする機会が多くなっている。
日テレの番組は面白い。しかし、どの番組も優等生といった感じで、ある意味で安心して見ていられるが、教科書的な規範を逸脱することは(あまり)ない。
安心感というのは、日本社会での常識や価値観を、ちゃんと踏まえているということに尽きる。
ケンミンSHOWはそれが顕著で、特定の地方公共団体に対する印象(常識、価値観)を軸に、番組が展開する(Ex:北関東は云々)。
しかし、その常識や価値観そのものにメスを入れるようなことはしない。むしろ、偏見ともいえる常識を再強化しているようにもみえるのだ。
偏見を改めようとする試みも、「常識的に」行われるだけで、揺るがされることはない(Ex:しかし、素晴らしい特産物が云々)。
さんま御殿でのトークも、さんまの司会芸としてパターン化されており、ゲストの話はさんまの理解できるレベルに調整され、結果としてわかりやすい常識や価値観に変換されて終わりである。
多くの番組が教科書的過ぎて息苦しい。教科書的に振舞えと言われているように感じるのだ。世間一般の感覚に従えと。
24時間テレビでの障がい者は清廉であれという言外のプレッシャー。日テレの番組は、世間一般の感覚を強化する。
デブはデブらしく、ハゲはハゲらしく、イケメンはイケメンらしく。
日テレの番組は、そのズレを許さない。許されるのは、わかりやすい教科書的なズレだけだ。