口に出して言えないから、書く。
祖父と母親はずっと働いていたが、祖母は専業主婦だったので母子家庭にあるいわゆる鍵っ子にはならなくて、祖母に感謝である。
父親代わりに思っていた祖父には、中学生ぐらいから反抗し、結局高校を卒業して東京の大学へ行く車の中でも、なんとなく無言だったような気がする。
ウチは決して裕福ではないけども、東京に来ては、事あるごとに親に電話して金を仕送りしてもらっていた。
東京での俺の生活はひどいもので、週に何人も違う女の子を家に呼んでいたり、
貰う必要のない仕送りを、東京の生活はつらいと言って今でも実家から3万円もらいながら社会人をしている。
肺がんからの全身転移で、持って半年と聞いていて、急いで帰省した。
格安航空券を探して、航空会社のHPで見た正規料金をもらい、差額で遊んでいた。
春に帰ったときはまだ元気で、思春期ぶりぐらいにまともに話したと思う。
ただ秋口、亡くなる一ヶ月前ぐらいにもう一度帰ったときはもう話すことすらできない状態になっていた。
しっかり受け答えしていた祖父はどこへいったのか、口をポカーンとあけて目をつぶってあ・・・あ・・・というだけになっていた。
深くにも手を握ったとき、ぎゅっと握り返されたときは泣きそうになった。
その時は、ちゃんと真面目に生きようと思ったんだ。
また飛行機の差額分で遊ぶようになっていた俺。
時々自分が恐ろしくなるほどの畜生だという自覚はあるが、止められない。
腕時計がないと言って、腕時計コーナーをみた。1万ぐらいのカシオなら買ってくれそうだったが、20万以上の時計をみていた俺。
ただ、金をためて買うから、といってじゃあ今カシオを買ったことにして1万くれと言った。
東京に戻ってきてから、ユニクロのカシミヤセーターが半額のCMを思い出して、これ買っといてと母にLINEしたら、わかったと返事がきた数分後、
ATMにお金がなかった、、ごめんね、、来年買ってあげるからねと返信が来ていた。
母がこの先一人になったときに、支えていけるのだろうか。支えていこうという気持ちは生まれるのだろうか。
こんな鬼畜な所業を繰り返していて、自分の人生はこの先明るくないだろう。
どうすればいいんだろう俺は。