2016-12-25

デザインダメにするまでの過程

実話であるとは言わない。

だが寓話としてこういう話もあると思って欲しい。

私はとあるデザイン会社ポスターデザインをしている。

会社が昔から取引を続けてきた某クライアントから依頼を受け、最初の話し合いでだいたいのコンセプトを聞き現場担当者同士で話し合いラフを作ってGOサインを出してもらう。

順調にデザインが出来上がり自分なりによいできと思い、直属の上司に経過報告として先方に提出する前に確認をとる。

すると以前現場デザインをしていたという上司が「以前この会社はこういう方を好んでいた」とダメ出しが入る。

しかしそれをすると完全にバランスが崩れる。

その修正のために全て位置を作り直さないといけないくらいに(タイトル文字横書きから縦書きしろくらいの変更)だ。

しか上司相談をしてしまった以上は無視して提出するわけにいかず、朝方までかかって修正をする。

最初ほどの満足感はないがまあまあよい感じだ。

その後も細かいダメ出しを提出寸前まで言われつつも最初の案の提出納期に間に合わせる。

無事に先方の担当者さんに渡す。

数日後修正事項が戻ってくる。

先方の担当者さんは申し訳なさそうに「うちの上司がどうしてもとこだわりがあるようで」と箇条書きで10項目以上の修正点を出してくる。

現場デザイナーは何をするべきかここでまとめてみると、

最初のコンセプトラフ通りのデザイン

自分なりによかれとオリジナリティを出してデザイン

・自社の上司の考える顧客のためのデザイン

・先方担当者さんの考えるイメージデザイン

・先方の上司のこだわりデザイン

これらすべての平均値をとってみんなが納得する要素を入れ込んだデザインにしなくてはいけない。

当然のことながら配色の原則も、タイポグラフィ選択もめちゃくちゃになる。

そして完成品はまるでパッチワークのような不思議デザインとなり、最後上司からこう評価される。

「君のデザインはどこかチグハグ個性がないねデザイン学校ってこんなレベルなの?」と。

有名な賞でも取って箔付けでもしないかぎり、この環境ではデザイナー絶対に育たないと思った。

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